内容紹介
問1:「アメリカでは、オーラル・セックスをする未成年の割合が10年間で2倍に増えたのはなぜか」
唐突な質問で恐縮だが、あなたならこの理由をどう説明するだろうか。あるいは、次の問いには?
問2:「いつまでたっても人種差別がなくならないのはなぜか」
これらの問題に解決策を示せといわれても、どこから手をつけたものかと途方にくれてしまいそうだ。しかし、この一見雲をつかむような難題の裏に、実は意外に合理的な「ロジック」が隠れているとしたら――。
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「人は合理的に行動するものである」。
そんなバカな、とお思いだろうか。人はタバコを吸い、ギャンブルに興じる。愚か者は恋に落ちる。会社はまぬけが経営する。大都市の近郊はこれといった理由もなく地価が急騰し、バブルが崩壊する。これらのいったいどこが「合理的」だというのだろう?
その謎を解くカギは、私たち人間の行動を決定づける要因――インセンティブにある。私たちは、何らかのインセンティブに反応して行動する。あることをしたほうが自分にとってお得なら、人はそうする。逆もまたしかりだ。
本書で「合理的に行動する」というとき、それは人が「自分の目的を達成するような形で行動する」ことを意味する。その目的はお金に限らない。速い車かもしれないし、地位かもしれない。セックスや自己実現ということだってある。
人がそうやって「合理的に」行動した結果、状況がよくなることもあれば、悪影響が及ぶこともある。未成年がオーラル・セックスにふけるのも、人種差別が一向になくならないのも、実は、思いもよらなかったようなインセンティブに私たちが反応している結果なのだ。
本書は、フィナンシャル・タイムズ紙編集委員にして自称「覆面経済学者」であるティム・ハーフォードが、セックス、犯罪、ギャンブル、戦争、結婚、ゲットー、人種差別、政治、ここ100万年の人類の歴史と、多岐にわたるトピックをとりあげ、この世界がいかに合理性に基づいているかを示した意欲作だ。近年発展めざましい経済学の新領域における研究成果をさまざまな形で駆使して、日常生活に潜む「ロジック」を描き出している。
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日常生活に潜むロジックを探し出す作業は、それ自体がおもしろいだけでなく、役に立つものでもある。さまざまな要因が幾重にもからみ合っていて扱いにくそうに見える問題も、その裏側に隠れているロジックを導き出せれば、実現可能な解決策を見つけ出す手がかりが得られる。
ある地域の犯罪率がほかよりも高ければ、その地域では犯罪をしたほうが割に合っていることになる。コンドームを使わずに客をとる売春婦がいれば、それは、そうすることが彼女にとって合理的だからだ。だが、「そうしないことのほうがお得になるロジック」を示すことができれば、あなたが抱える問題を解決するための一歩につながるかもしれない。
……と、まじめに締めくくってはみたが、小難しい話ばかりではないのでご心配なく。
ではさっそく、日常生活の裏側に隠れたロジックを探す旅へと繰り出すとしよう。
内容(「BOOK」データベースより)
この世はとかく不条理なもの、人間はとかく不合理なものだとだれもが口をそろえて言う。だが、本当にそうだろうか?イギリス発・新進気鋭の人気ジャーナリストが経済学を使って日常生活の裏側に隠された因果関係をあぶり出す。