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功利主義者の読書術
 
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功利主義者の読書術 (単行本)

by 佐藤 優 (著)
4.5 out of 5 stars  See all reviews (12 customer reviews)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

タレント本からビジネス書、世界文学の名作、哲学書、宗教書まで──。
今まで気づかなかった智慧が見えてくる。
「役に立てる」という観点から本を読み直せ!
佐藤優が教える画期的読書術。

内容(「BOOK」データベースより)

タレント本からビジネス書、世界文学の名作、哲学書、宗教書まで―。今まで気づかなかった智慧が見えてくる。「役に立てる」という観点から本を読み直せ!佐藤優が教える画期的読書術。

Product Details

  • 単行本: 333 pages
  • Publisher: 新潮社 (2009/07)
  • ISBN-10: 4104752045
  • ISBN-13: 978-4104752041
  • Release Date: 2009/07
  • Product Dimensions: 7.6 x 5.6 x 1.1 inches
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (12 customer reviews)
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18 of 20 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 自分を抉り出す書評, 2009/8/14
By くにたち蟄居日記 (Surabaya,Indonesia) - See all my reviews
(TOP 50 REVIEWER)   
 今までに類を見ないような読書案内だ。
 
 まず 取り上げられている本のジャンルの多さである。「資本論」と「聖書」と村上春樹と石原真理子と小室直樹を取り上げるようなお方は初めてだ。この本の選択は 下手をすると奇を衒うだけに終わってしまいそうだが そうにはなっていないところが佐藤の凄みである。

 色々な本を円に並べて その真ん中に佐藤が座っている風景が目に浮かぶ。どの本も佐藤は佐藤自身の読み方で解説していく。実際に 各々の著者たちが意図した内容を佐藤が読み込んでいるかは疑問だろう。むしろ 佐藤が「勝手に」読み込んでいる部分もあるに違いない。
 それを「曲解」という言い方もあろうが そもそも本とは「曲解」される自由も有している。佐藤は自分の読み方を自由自在に各々の本から引き出している。その「引き出し」の量と質が圧倒的であるところが 本書の醍醐味だ。

 本書を読んで痛感したことがある。書評とは ある本を取り上げることを通じて「自分の意見を述べる場である」ということだ。つまり「自分はどう思うのか」、「自分がそう思うことということで見えてくる自分自身とは何か」を抉り出す作業なのだ。
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37 of 43 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 功利主義的「文藝」批評が面白い, 2009/7/26
By 野火止林太郎 (埼玉県) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
ニッポン国で21世紀中に刊行されたもののなかでは(と、敢えて限定するが)、唯一“読書術”の名を語る資格のある書籍であろう。

石原真理子のベストセラーなどは、石原本人の構想なんてものが僅かでも入っているかどうかは疑問ではあるが、著者は極めて真摯(真摯を装い?)にどの本に対しても接している。宇野弘蔵書も吉本隆明書も石原もマンガもみな同様だ。

“読書術”たる所以は、取り上げた書から何を読み取り、何を使えるかが明確にされているからであり、その「何」に普遍性があるからだ。そんなことは当たり前であろうなどという勿れ。ほとんどの“術”を語るノウハウ書は、著者の感想文の域を出ず、己の出世自慢に終始しているから。著者・佐藤優が褒めるノウハウ書は学習参考書に限定されており、基本的にビジネス系ノウハウや自己中啓発書を持ち上げることはない。そんなものが、少しも役に立たないことを熟知しているからだ。何? 副島隆彦のトンデモ本を持ち上げているではないか?
それが、佐藤のインテリジェンスの一環であることは、副島との共著を出していることからも明らかではないか。

本書では綿矢りさ著、高橋和巳著などにおいて、著者の分析の鋭さが垣間見える。
また、賞賛と批判が二分する亀山郁夫の新訳『カラマーゾフ』に就いても、初めてこれが優れた訳書であることを証拠つきで示している点、さすがにプラグマティストたる所以である。ロシア語の原文を参照できる強みと言えよう。

では、何ゆえ☆3つか? 
さすがに佐藤も本を出し過ぎであり、本書のいろんなエピソードに何度か読んだなあという思いが強いからだ。それゆえ新機軸と言えるコミックや小説への言及が新鮮であり、「功利主義的批評」とも言える独自のスタンスが面白かった。

今後は小林秀雄や丸山眞男などにも筆が及ぶことを期待する。
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17 of 21 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 佐藤氏がうらやましい, 2009/8/19
By スロボヨ ミッケ (インドネシア スラバヤ) - See all my reviews
 ここで佐藤氏のいう功利主義とは自らの救済の材料を見出すスタンスを言う。神学を学んだ筆者らしい思想である。神が人間を救うべく人間の最も深い深淵まで降りてきたことを受肉ととらえるなら、読書であれ、哲学であれ自らの生きる道標、救済をあたえてくれるものは受肉されたものなのである。佐藤氏は読書を受肉の域にまで昇華させる。

佐藤氏がこの書で展開するジャンルは実に幅広い。聖書、哲学書、石原真理子の暴露本に漫画である。書いた本人もびっくりの深読みもあろう。

しかし真摯な読書にとってジャンルなど瑣末事である。
本とは読まれた瞬間から作者の手を離れ、読者のものになるのである。

これは彼の学歴(神学、語学)、経歴(百戦錬磨の外交官相手のインテリジェンス活動、東京地検相手に繰り広げられた知的かつ行き詰る交歓、そして500日を越える拘留生活など)によって形作られた佐藤氏にしかできなかった本の選別であり、読み方であるのだ。

垂れ流される情報に溺れていることにも気付かぬ現代人に、本が与えてくれるものは単に明日の情報だけではなく、「生きる」ことそのものでもあることに気づかせてくれる貴重な1冊である。本に真摯に向き合うこと、自分で考えること。本来読書とはそういったものであった。確かに書店に溢れんばかりの本全てにそこまでの価値のないものもあろう。しかし、選別していくのもやはり、私達読者である。

佐藤氏が出会い、受肉となった本たちこそ幸いなるかな。
そして一読者として素晴らしい読書人でもある佐藤氏が羨ましく思うのである。








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