出版社/著者からの内容紹介
~2001年から今年にかけてビッグコミックスピリッツ・サンデーGXで発表された「最終兵器彼女」読切番外編が、いよいよ単行本化…!!
カバーイラストは作者描き下ろしの「最終兵器前のちせ」。学校指定ジャージと制服で友達とおしゃべりしている、そんな素朴であどけないちせちゃんが目印です。
また特別に四コマ誌「まんがくらぶ」に連載された「私たちは~~散歩する」より、「あの二人」に似た二人が登場する「episode#4: The couple of love beginners.」をフルカラー化して収録。
今回、単行本化にあたり、「世界の果てには君と二人で。あの光が消えるまでに願いを。せめて僕らが生き延びるために。この星で。」「スター☆チャイルド」をカラー演出を含め大幅に贈ページ&リファインしました。
さらに、イラスト集「LOVE~~ SONG 2002」未収録の「最終兵器彼女」イラストレーションを集めた、豪華ギャラリーページを8p収録!
掲載時読まれていた方も未読の方も楽しめる作りになっています!!~
著者からのコメント
数年前になりますが、「最終兵器彼女」という全部で2000ページに満たない小さな作品を描きました。ごく普通の男子高校生と、やはりごく普通の女子高生が、世界が終わるその時に出来ることは何なのかを必死で求め続け、生きる姿を描いた作品です。
主人公二人だけの感情にだけは嘘をつくまい、そのことだけに忠実に描いたこのラブストーリーは、幸せなことにたくさんの方に愛していただける作品になりました。
そういった作品は往々にしてアニメや映画になったときなどをきっかけに「番外編を描かないか」とのお話しをいただいたりするのですが、しかし、「最終兵器彼女」という作品は頭から終わりまでシュウジとちせという主人公二人のために存在する世界を凝縮して描いたものであり、前も後ろも番外も存在しえないストーリーでした。そこで、「Another world」という副題を付け、例えばその同じ時代、同じ場所、同じ星に生きる人たちがいて、シュウジとちせが間接的にせよその人達の人生に影響を及ぼしているとしたら、二人が生きた小さな意味のカケラには成り得るのではないかと構想を始め、最終的に三編のお話しを描きました。
番外編最後の作品となった「STAR★CHILD」は前の二編と異なり、連載が終わってから長い間経って描いたストーリーで、本編を描いていた当時の自分には描けなかったろう「最終兵器彼女」後の世界をテーマにしました。自分の中では「あの後」は、少なくとも世界は存在しないと考えていました。二人が恋をしたことと、本人達にとって世界が存在することは同義なのだという意味を含め、世界や肉体は滅んでしまっても、しかし記憶と感情だけは生き続けることがあるのではと、読者の皆さんに託したからです。ですから自分の中で「ちーちゃん」たちが生きる世界を描くことで、少なからずあのころの自分や、読者さんを裏切るような痛みがあったことは確かです。
ところが、このお話を読まれた多くの方から「世界に続きがあったことにホッとした。」というお話しをいただきました。数年間の間に自分にも読者の方の中にも「あの後」を受け止める余裕が生まれてきているのだと、嬉しいのと愛しいのと、さみしいのが綯い交ぜになったような思いで、でもやはりホッとしたのでした。
先日NHKの番組で地球の一カ所で起こる現象が地球を半周もした多くの生き物が生きる世界を支えている話を観ましたが、ある種バタフライ効果的にこの、一枚はまるで薄っぺらな原稿用紙を時間をかけ、大切に一枚一枚積み上げたことで、こうして「厚み」を持つ本となり遠く離れた街に住む皆さんの、何かしらの時間になっているという幸福を、誇りに思います。
私と皆さんのほんの一枚の出会いが、これから何千ページにも厚みを増していく皆さんというその本の、その一枚であることを誇りに思います。
「最終兵器彼女」という作品を愛してくださったたくさんの方に最後のお礼を申し上げます。
担当の小室さん、堀さん、出版関係者のみな様、書店員のみな様、アニメーション関係者のみな様、映画関係者のみな様、シュウジとちせにたくさんの世界を見せてくださいましてありがとうございました。
最後に「最終兵器彼女」の事を知らず、偶然この本を手にとって下さいました方。本当にありがとうございました。もしよろしければシュウジとちせの小さな物語の方も読んで下さると、親として嬉しく思います。
2006.初夏 高橋しん
─著者「あとがき」より─