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この胸に深々と突き刺さる矢を抜け〈上〉
 
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この胸に深々と突き刺さる矢を抜け〈上〉 (単行本)

by 白石 一文 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

「週刊時代」の編集長、カワバタ・タケヒコは、仕事をエサに、新人グラビアアイドル、フジサキ・リコを抱いた。政権党の大スキャンダルを報じる最新号の発売前日、みそぎのつもりで行った、その場限りの情事のはずだった。世俗の極みで生き続けた男が、本来の軌道を外れて漂い始める、その行き着く先にあるものは?白石一文が全身全霊を賭けて挑む、必読の最高傑作。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

白石 一文
1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 単行本: 316 pages
  • Publisher: 講談社 (2009/01)
  • ISBN-10: 4062152428
  • ISBN-13: 978-4062152426
  • Release Date: 2009/01
  • Product Dimensions: 7.5 x 5.2 x 1.2 inches
  • Average Customer Review: 3.9 out of 5 stars  See all reviews (13 customer reviews)
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30 of 41 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 文学で、世界と戦う, 2009/2/14
By モディリ兄"ルノR" (東京都中野区) - See all my reviews
 まず本作をひとことで言うと、「白石一文がまたやっちゃったな」、と。

イチロー、ネットカフェ、DV、アメリカとの決別、所得格差、セラピー、利己的遺伝子など、いまどきの事件や事象、名詞が頻繁に出てくるが、このようないまどきの言葉をただ羅列するだけで世界を切り取った気になっているその他大勢の自称表現者は、これを読んでいちから学習し直したほうがいい。

ともすれば白石一文の思いを託した本作の主人公、「週刊時代」編集長カワバタ・タケヒコの言葉は、青臭い正論と捉えれれる向きもあるかもしれない。しかし、その主人公が、自らの権限を行使してグラビアモデルを抱き、自らの不正は省みようとしない、しかし重たい過去を抱えつつ前進することをやめなかった、清濁を併せ持った人物だからこそ信用に足る。

カワバタが苛烈な現実と戦い、さまよい、そして物語は大いなるうねりを持って昇華されていく。
特に、下巻で待ちうけているある人物との運命的なやりとりは、涙を堪えることが困難なほど感動的だ。しかも、それだけでは終わらないところが筆者のストーリーテラーとしての凄まじい手腕が発揮される。

白石一文がいま考えていること、感じていること、迷い、呻吟、そして祈り。作家としての使命感を背負って書き上げた、全身全霊を込めた珠玉の二冊。絶対に買って読んで損はない。
本作が次の直木賞の候補に挙がらなかったら、文藝春秋の見識を疑う。

ただこの装丁はいかがなものかと思います。。。
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20 of 28 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars タイトルは絶品、文章は秀抜だが・・・, 2009/2/16
この著者には全く興味がなかったが、各誌の書評で絶賛されているので読んでみた。が・・・。まず、延々とページを費やして無批判に引用される著作のレベルは、正直言ってかなり玉石混交であり、「啓蒙小説」として読むにはかなり無理がある。マザーテレサを敬愛する主人公の攻撃対象はフリードマンからチャーリーシーン(笑)まで幅広いが、自らは日本一の月刊誌の編集長となり、更には国政にも直接関与できるチャンスまで与えられながら、社会に対して何ら積極的なコミットメントを果たすことなく、家族を捨て、友人の元恋人との安逸な余生に逃げ込もうとするラストシーンには正直唖然とさせられた。もちろん、タイトルを含めた文章表現の鋭さ、時制を巧みに操る構成のうまさには文句のつけようがないが、小説としてみた場合、「幼子を失ったガン患者」という設定に頼りすぎたバランスの悪さを感じずにはいられない。
フジマキ・リコを筆頭に、女性の人物像が如何にもご都合主義な部分にも不満が残る。
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28 of 41 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 小説の形を借りた社会論のようにも、人生への思索本とも取れる。, 2009/2/21
By hide-bon (名古屋市) - See all my reviews
(TOP 50 REVIEWER)   
今年も早2ヶ月が経とうとしているが、上巻を読み終えた段階では今年出逢った本や映画の中で最も刺激的で面白いと思える作品。
主人公は著名週刊誌編集長、いきなり地位ある業界人ありがちの、グラビアアイドルとの“等価交換”としての貸し借り=性交から始まり、これは一種のピカレスク・ロマンなのかと思ったが、思いのほかポップで社会的、知的好奇心をくすぐる小説だ。
社会との関わり合いを重視し正義感に燃える東大准教授である妻、結婚は純然たる経済行為とし、ダブル不倫は互いの夫婦生活を長続きさせる為の安定化装置と合理的に言い放つ上司の夫人である美貌の情事相手、前述のアイドルも含め、取り巻く女性たちを衣服の上からも下からも斜めに見据えながら、どこか醒めている現実主義者の主人公。かと言って、ジャーナリストとしての良心や野心を失くしている訳ではない。
結婚、セックス、国家、市場経済、官僚論、自己責任、貧困、平等主義、そして死。物語の展開とシンクロしながら、細分化されたチャプター毎に主人公の思いが語られ、まるで白石自身の社会論やエッセイを読んでいるようだが、これが正鵠を射ていて共感できるし、瞠目させられる。
人生のピークに駆け上がろうとする正にその時取り憑いた病魔、死への痛恨を感じながら、人生への哲学、社会への思索を独自に探求する主人公、読み続けるうちに、これは40代の青春小説だとも思った。
ミルトン・フリードマン、湯浅誠、堤未果、イチローらが引用、俎上に挙げられ、妙なリアル感を感じつつ、他のレビュアー氏同様、村上春樹を強く意識する。
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3.0 out of 5 stars 著者の視野の広さに脱帽
癌と闘病しながらも、性、家族、世界との距離を探り続ける主人公の週刊誌編集長。経済的には裕福だが精神的には荒廃している彼を軸に、貧困というワールドワイドな問題が取... 続きを読む
Published 16 hours ago by 桔梗

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Published 8 months ago by 麒麟児

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Published 9 months ago by クローバー

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今日の100年に一度と言われる深刻な経済環境下における、所得格差の問題を、家族の視点、わが国の政治の視点、経済理論の視点、100年の人類の歴史的行動の視点と連関... 続きを読む
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