わずか45gで暗所撮影も可能なウェアラブルカメラ「Panasonic HX-A1H」特集

小型ウェアラブルカメラA1H 徹底レビュー

小型・軽量の一体型ボディが特長の「HX-A1H」。7月末に公開された新ファームウェアで、カスタマーレビューで問題視されていた現象がどこまで解消されたのかを検証した。

政木 桂(まさき けい)

雑誌・WEBのカメラマン兼ライター。本職は映像ディレクター。
テレビ番組のディレクターから編集マンに転身し、その後はビデオジャーナリストなどを経て、撮影から編集までできるディレクターとして数々の作品を制作。ネット中継は2000年から。映像ではVP制作やネット中継を中心にし、WEBや雑誌でレビュー記事の執筆や取材、書籍の編集もこなす。現在はフリーランス。

小型・軽量だが、逆にそれが大きな存在感


わずか45gの小型軽量が魅力のA1H


 いま現在、ウェアラブルカメラやアクションカムの分野は国内外さまざまなメーカーが参入し、次々に新製品が投入されて百花繚乱の状態だ。多種多様な製品が存在する中、この「HX-A1H(以下、A1H)」は小型で軽く、コンパクトさという点では際立った存在と言える。

 スティックタイプや砲弾型といった形状のカメラは以前からあるものの、A1Hほどの小ささ、軽さまでは実現しきれていない製品も多い。もちろんGoogleグラスのようなA1Hよりも小さいカメラも存在するが、カメラとしての使い勝手や画質を考えるとウェアラブルデバイス的な存在であり、あくまでもビデオカメラ然としたA1Hと比較するには土俵が違うといった印象だ。

 Panasonicのウェアラブルカメラの進化をたどってみると、フルHDの撮影ができ、カメラヘッドを本体から分離することで小型化した「HX-A100」が2013年5月に発売。ほぼ1年後となる2014年6月には、本体に液晶モニターを搭載し、4K30pの撮影ができる「HX-A500」が発売され、さらに1年後の2015年6月に今回レビューするA1Hが発売された。

 毎年、新たなアプローチで1モデルずつリリースされている事になり、A1HはいわばPanasonicのウェアラブルカメラ2015年版アプローチだと考える。フルHDの「HX-A100」(2013年)から、4K30pの「HX-A500」(2014年)になり、2015年ではさらに高解像度に進化……するのではなく、解像度や機能などのさまざまな要素を削ぎ落として、小型軽量の一体型ボディになった理由を、短い期間のテストの中で見つけることができるだろうか。


通常撮影用(左)とナイトモード用(右)のガラスカバー。ナイトモード用にはIRのマークが付いている

シンプルな操作系、細かい設定はアプリで行う

 A1Hのボディサイズは、幅 26.0mm×高さ 26.0mm×奥行 83.1mm。500円玉とほぼ同じ直径である26mmの筒型形状をしている。質量はわずか約45gで、同じく500円玉と比較すると7枚弱と非常に軽量だ。撮像素子は1/3型MOS固体撮像素子で、総画素数は約354万画素。動画撮影時の有効画素数は約287万画素で、フルHD以上の画素数ではあるものの、最近の動画撮影用カメラとしては、やや控えめな画素数と言える。

 焦点距離2.6mmのレンズを搭載し、F値はF2.8。画角はワイドモード時で約150度、スタンダードモード時は約120度となっている。最短撮像距離は約30cm。

 記録メディアはmicroSDカードを採用、128GBのmicroSDXCカードにも対応する。ファイルコンテナはMP4で、コーデックはMPEG-4 AVC/H.264。ビットレートは1920×1080/30p撮影時で平均15Mbps(VBR)と、ライバル機と比較するとやや低いのが不安だ。スローモーション撮影やタイムラプス、ループ記録モードなどを搭載。手プレ補正や傾き補正機能は付いていない。

交換用のゴムパッキンも付属。1年に1度、もしくは付け外し100回程度を目安に交換が必要

 通常撮影用とナイトモード用の2つのガラスカバー(レンズ部)、防水用とUSB接続用の2つの端子カバーが付属するほか、ヘッドマウント、交換用のゴムパッキンなどが同梱されている。ゴムパッキンは1年に1度、もしくは付け外し100回程度を目安に交換するように注意書きが別途付いているほど。摩耗が早い消耗部品が元々付いている点は安心だ。

 カラーは、オレンジとブラック。男性なら黒いボディの方が格好良いと思ってしまうのだろうが、フィールドで落とした時に見つけにくいという問題点がある。特に草むらなどで落としてしまうと見つけるのがかなり困難だ。また、炎天下では使用していなくても太陽に照らされてボディが熱くなってしまう。ただでさえ使用時は発熱するので、さらに太陽熱で熱くなってしまうのは怖い。2カメや3カメといった複数台のカメラで撮影する場合の「見切れ」、つまり他のカメラに写り込んで目立ってしまうような場合以外は、明るくて目立つボディカラーの方がオススメだ。

 本体の操作は、ボディ上部に配置されているボタン3つだけという非常にシンプルな構成。やや重いがクリック感があるボタンで、本体を見ずに手探りでも操作が可能だ。ボタンはレンズ側から「撮影開始/一時停止ボタン」「撮影モード/Wi-Fiボタン」「電源ボタン」が配置されている。

ボタンが3つしかないシンプルさ。画像上から「撮影開始/一時停止ボタン」「撮影モード/Wi-Fiボタン」「電源ボタン」

 「撮影開始/一時停止ボタン」は中心と周囲がアクセスランプとなっていて、録画中に赤く点滅する。このアクセスランプはナイトモード時に青く点灯するので、ナイトモード用のガラスカバーの付け忘れや、取り外し忘れを防いでくれる。

 「撮影モード/Wi-Fiボタン」を押すと「動画撮影」「スローモーション撮影」「写真撮影」の3つの撮影モードが切り替わり、それぞれのモードのランプが点灯する。長押しすることでWi-Fiのオン/オフを切り替える。

 「電源ボタン」は押して電源オン、長押しで電源オフ。3つのボタンで操作する以外の設定は、すべてWi-Fi接続したスマートフォンアプリ「Image App」から行う。「Image App」はAndroid、iOSに対応する。

 防水1.5m、防塵、耐衝撃1.5m、耐寒-10℃のタフ設計を謳っているが、水深1.5mの防水性能ではスキューバなどの深い潜りには耐えらない。プールなどのウォーターアトラクションや、突然の雨でも安心といったところだろうか。また、耐衝撃1.5mだと、付属のヘッドマウントを使った状態だけで地上から1.5m以上の高さになってしまうので、アスファルトなど固い地面に落ちてしまった場合を考えると不安が残る。「過酷な状況でも安心して使えるアクションカム」ではなく、「身に付けてハンズフリーで撮影できるウェラブルカメラ」としての使い方に特化していると言えよう。

 これを象徴するスペックが、傾き補正や手ブレ補正が省略されている点に現れている。体に装着していれば手ブレ補正を要する細かい振動は抑えられるという解釈だろう。

 光学式手ブレ補正は大きく重くなってしまうので問題外だが、「HX-A500」や「HX-A100」のように電子式手ブレ補正を付ける場合、画質や画角に余裕がなければできないうえ、映像エンジンなど内部処理のためのバッテリー消費が激しくなってしまい、バッテリー持続時間がさらに短くなるか、バッテリーを大きく重くするしかない。

 A1Hは、本体を「小さく・軽く」することを最重要に開発・設計され、これらの補正機能が省略されたと想像できる。つまり、サクションカップをはじめ、各種マウントのオプションが用意されているものの、そもそもの前提として「ウェアラブルカメラ」であり、「身に付けて使うもの」という割り切りが必要なのかもしれない。


必須アクセサリーは「トライポッドマウント」。「ストラップアダプター」は改良して欲しい


三脚や一脚に固定するための「トライポッドマウント」。汎用性が高いのでぜひ欲しいところ


装着図ではマウントを下向きにして説明されているが、筆者は上向きにした方が目線に近かった

 ヘッドマウントが同梱され、購入してすぐに目線撮影ができるは嬉しい点だ。

 カメラの取り付けはマウントを下向きにした取り付け例が説明書などに記載されているが、筆者の場合、上向きにした方が目線に近かった。取り付けの自由度が高いのもありがたい。ケーブルもなくコンパクトな本体なので、ヘッドマウントに取り付けた状態で体験会のレポートや、手元の作業を記録するのには、それほど目立たなくていいかもしれない。スポーツなど激しい動きの際にヘッドマウントが外れないようにゴムバンドも付属しているが、これを付けると途端に仰々しくなってしまい、使うタイミングに悩むところだ。

 カメラ本体を何かに固定する場合、一番汎用性が高いのはやはり「トライポッドマウント」だろう。トライポッドマウントは、円筒形ボディの周囲をベルトで締め付けることで固定する。固定する場所はボディ中心よりやや後ろ、すぼまっている端子カバーの直前で、ベルト部分がボタンを隠さずに操作できる位置となる。注意点として、ボディが円筒形なので水平が取りにくく、また水準器を載せる事もできない。雲台で水平を合わせるのではなく、「Image App」で実際の撮影画面を見て調整するようにしたい。

スポーツなど激しい動きの際に、ヘッドマウントが外れないように固定するゴムバンド

 前述したように、いくら軽いとはいえ落下したら傷が付くし、故障も心配だ。どこかで落として無くなってしまったら悔しい思いもするだろう。落下防止のためにも、ストラップやキーチェーンなどが取り付けられる「ストラップアダプター」の購入も視野に入れたい。ただ問題なのは、「ストラップアダプター」は端子カバー部分を交換して使用するもので、穴が付く代わりに、「ヘッドマウント」など、先がすぼまっている端子カバーに装着するタイプのマウントが使えなくなってしまう。

 「トライポッドマウント」など、ベルトで固定するマウントだったら大丈夫だ。「ヘッドマウント」や「クリップマウント」は少しひねっただけで本体が外れるような構造なので、ちょっとぶつけた際に外れて落ちてしまう危険性もある。それを防止したいのに、「ストラップアダプター」を付けると、「ヘッドマウント」や「クリップマウント」が使えなくなってしまうという悪循環。これは単純に、標準装備の防水用端子カバー後端にストラップ取り付け穴を付ければ解決するのではないだろうか。ぜひ改良して、そして標準装備として付けて欲しいところだ。

装着図ではマウントを下向きにして説明されているが、筆者は上向きにした方が目線に近かった

プチプチノイズは、ファームアップで解消されたのか

 カスタマーレビューなどで「プチプチとノイズが入る」や「Wi-Fi接続中にエラーが発生すると本機がフリーズする」など、A1Hの問題点がいくつか話題になっている。2015年7月29日にファームウェアのアップデートが公開され、Ver.1.10となった。ファームアップでどれだけ変化したのかを検証してみた。

 まず、プチプチとノイズが入るという問題に関して、ファームアップ前に撮影したテストでは、確かに音声にプチプチというよりはブツブツとノイズが乗っていた。定期的なノイズではなく、ヘッドマウントに付けて動いたり、周囲の音の影響で発生するようだった。この問題に関しては、Ver.1.10にアップデートしたところ解消された。

 続いて、Wi-Fi接続やアプリに関してのエラーについては、筆者の環境ではファームアップする以前から特に問題が無かった。アプリがフリーズすることも、通信エラーになることもなく、再接続も問題なかった。「Image App」をインストールしカメラと接続した端末は、SAMSUNGのGALAXY Note 4(SM-N910G)で、このあたりは端末の個体差によるものかもしれない。

 今回に限らず、ファームアップはリリース時に表記されている修正事項とは別に、さまざまなバグフィックスがなされている。それらは、メーカーのカスタマーセンターに寄せられた不具合の報告や、今読んでいるこの記事のようなテストやレビューで指摘されたことなどに対応したものだ。購入後、さまざまな現象に悩まされているユーザーは、メーカーのサポートページをチェックしてファームウェアのアップデートがリリースされているかチェックしてみてほしい。

 なお、A1Hのファームアップは、「撮影開始/一時停止ボタン」と「撮影モード/Wi-Fiボタン」を押しながら、「電源ボタン」を長押しする工程がある。ボタン3つを長押しすることは難しくないと思っていたが、いざやってみたところ、それぞれのボタンが重いうえ、位置も近く配置されているため3本指でも2本指でもうまく押す事ができず、なかなかファームアップすることができなかった。何度も押し方を変えながらやり直し、4~5分奮闘してようやくファームアップすることができた。ファームアップしようとしているユーザーは、いろいろ試しながらボタンを押してみてほしい。

HX-A1H 最新ファームウェアアップデートプログラム ダウンロードページ:
http://av.jpn.support.panasonic.com/support/video/download/a1h/index.html

結束バンドを組み合わせて簡易的に落下防止策を採ったが、「トライポッドマウント」を使うなら「ストラップアダプター」が使える

撮影して画質や音質をチェック

 「ウェアラブルカメラとして割り切りたい」と書いたものの、ヘッドマウントに装着して散歩した映像を掲載しても面白くもなんともないので、「アクションカムとしてどこまで使えるか」を試してみるべく、バイクに装着してテスト撮影してみた。

 「トライポッドマウント」をフレキシブル三脚に取り付け、カメラを装着。フレキシブルマウントは自在に変形させて、さまざまな場所にフィットする形を作れるので便利だ。今回は、フロンフォークやミラーポストに結束バンドを使って固定してみた。

 バイク走行中に落下するのは怖かったが「ストラップアダプター」がなかったため、結束バンドを組み合わせて簡易的な落下防止策を採った。ワイヤーやチェーンを付けるためのループを結束バンドで作り、それをカメラ本体に結束バンドで固定。カメラ本体に巻く結束バンドは、ボタン操作を邪魔しない場所にした。カメラは完全に円筒形ではなく、ボタン操作部がある上部がえぐられ、同じ形と位置で底部もえぐられている。つまり上下でシンメトリーな形になって、断面は競技場のトラックのような形状。そのため、このえぐられた部分に結束バンドを巻けば、前後で抜けることはない。そしてループとバイク本体をさらに結束バンドで結んだ。

 カメラは、通常撮影モードの1920×1080/30p、画角が約150度のワイドモード、ホワイトバランスなど各種設定は初期設定と、ほぼ通常使うであろう状態にし、風音低減のみ入れた。同じアングルでずっと走っているだけの映像を見ていてもつまらないと思ったので掲載されている動画は編集したものだ。何台もカメラがあるわけではなく、何度も走って撮影したものを編集。GOP単位で分割・結合させ、MP4無劣化編集をした。(※注:サーバーUP時に再エンコードされ、ビットレートが4000kbpsに圧縮されています(元動画の約1/4程度)ので、画質評価としてではなく参考としてご覧ください)

 冒頭のフロントフォークに付けた映像では、約150度の広い画角もあり、手ブレ補正がないことで気になるかと思ったブレの不快さはあまり感じなかった。オートホワイトバランスは、微妙な太陽の加減もうまく再現されていて、実際の印象に近い。露出は、ハイライトが飛んでいない代わりに、やや暗部の沈み込みが大きい。実際はもっと眩しい印象だった。明るかったのでシャッタースピードが速かったという事もあるが、路面の凹凸もある程度捉えられている。逆に、平滑な空の手前に張られた電線やワイヤーなどは、フレームによって消えてしまう程度にしか描写されない。モスキートノイズも目立つ。これは路面の細かいディテールに帯域を取られすぎているようで、やはり平均15Mbps(VBR)という、ことのほか低いビットレートの限界だろうか。

 自撮り(後ろ向き)のカットや、橋の頂上付近で飛行機が見えるカットは、バイクのミラーポストに取り付けたもの。このほか振動も大きいうえ、風の影響を大きく受けるため、かなりブレた映像になってしまった。手ブレ補正機能がないことも悔やまれるが、固定をもっと強固なものにすればブレはもっと軽減されるだろう。

 全体を通して、色は自然な感じだが露出は控えめで、おとなしいイメージの映像。解像感はやや足りなく、画面全体が甘く感じる。にもかかわらず、ノイズは多め。フルHD解像度ではあるが、WEBで埋め込むなど1/2サイズで見るくらいがちょうどいいと感じた。音は、風音低減を入れたがそれでも結構吹かれているし、ローカットされて軽い感じになってしまった。

 一般的にGoProと比較するユーザーが多かったので、今回「GoPro HERO4 BlackEdition」でも同条件で撮影して比較した。その結果、筆者は画質/音質面ともにGoPro HERO4 BlackEditionの方が優れていると感じた。しかし、GoPro HERO4 BlackEditionはA1Hの3倍近い価格帯であるため、優れていて当たり前だ。むしろ、A1Hの方がコストパフォーマンスは高く感じた。また、カメラ本体のサイズに関しても、GoPro HERO4 BlackEditionはやや大きく、円筒形で小さく軽いA1Hの方が取り付けがずいぶん楽だった。コンパクトで軽量なA1Hは、それだけでかなりのアドバンテージがあると考えられる。検討中のユーザーは、「価格、大きさ、画質」のどの部分を重視して選ぶかが重要となってくる。


今回のテスト撮影では、「トライポッドマウント」をフレキシブル三脚に取り付け、フロンフォークやミラーポストに結束バンドを使って固定した


ナイトモードやWEBカメラとしてどこまで使えるか

 他のウェアラブルカメラにはあまりないユニークなアプローチが「0ルクス ナイトモード」「WEBカメラ」としての機能だろう。ナイトモードは、通常撮影用のガラスカバーをナイトモード用に変更するだけで切り替わる。通常撮影用ガラスカバーの内側はメッキ処理されており、それを感知して切り替わるようだ。

 ナイトモードにするとモノクロームになるためか、通常撮影よりも暗部が若干持ち上がり、周囲の状況がよく見えるようになった気がする。もちろん、通常撮影+普通のライトでも問題ないときは、カラーで見えるのでこちらで良いと思う。通常のライトが使えない状況、動物の夜間の生態の記録や隠し撮りなど、ナイトモードの用途はかなり限られる。また、画角の広いA1Hで遠景を照らすとなると、かなり広角な赤外線ライトが必要となってくる。A1Hが軽量コンパクトなのに、どでかい赤外線投光器が必要というのはナンセンスな話なので、この辺りの赤外線投光器がおすすめする。

 カスタマーレビューの中で「WEBカメラとして画質が悪い」というのがあって筆者も試してみた。動画配信サイトが提供するソフトにA1Hを読み込ませたところ、書かれていたとおり最低最悪の画質となった。しかし、使っていたソフトのバージョンが古いことに気付き最新バージョンに入れ直したら、画質は激変。500万画素のWEBカメラと比べても、遜色ない描写となった。加えて70~80度の画角が一般的(中には180度といった変わり種の製品もあるが)なWEBカメラと比べ、約150度の広い画角のA1Hは、WEBカメラとしては新鮮な印象で、うまく使えばかなり面白い配信ができるような予感がした。

 ナイトモードとWEBカメラをうまく組み合わせるのもいいかと思った。試しに豆球を付けた暗い室内でペットを撮影してみた。暗い中で動物はどう動いているのか。明るい場所や、通常のライトで照らすのとは違う、暗い中での動物の動きが見てとれた。使用した赤外線ライトは電池1個を使用する小さいものだが、屋内で近距離を照らすには十分。この状態でWEBカメラとしてPCに接続すれば、離れた場所から自宅のペットがおとなしく留守番しているか見ることができる。A1Hを部屋全体が見渡せる場所にセットしてもいい。


同梱の端子カバー(USB接続用)を使えば、PC接続中や充電中でも、ヘッドマウントなどに装着することができる

どこまで使いこなせるかがポイント

 一連のテストで一番困ったのはバッテリーだ。

 1920×1080/30pでの連続撮影時間は約1時間15分、実撮影時間は約35分と説明書には記載されている。設定をいろいろ変更したり、確認のため再生したりしていると、短時間でバッテリーがなくなってしまう。バッテリーは内蔵されて取り外しや交換ができないため、バッテリーが無くなった場合は、マイクロUSB端子にモバイルバッテリーを接続して充電するなどしなければならない。今回のテスト撮影でもモバイルバッテリーを接続して切り抜けたが、「充電せずに1日たっぷりレジャーを撮影する」といった使い方は難しい。

 そこでぜひとも欲しいのが別売アクセサリーの「拡張バッテリー」だ。長時間といわず、そこそこ使い倒すだけでも内蔵バッテリーでは心もとない。「拡張バッテリー」1つ接続するだけで駆動時間が約90分延長される。この「拡張バッテリー」を複数個持って交換していけば、バッテリー交換と同じように使えるはず。ただし、「ストラップアダプター」同様、「ヘッドマウント」などに装着できなくなってしまううえ、全長が倍以上の長さになってしまうので注意したい。

 ウェアラブルカメラで暗所撮影がしたいというのであれば、選択肢は現状A1Hひとつしかないが、他のウェラブルカメラやアクションカムと比べ、画質や音質で絶対的な評価をしてしまうと、それほど高いものとは言えない。

 4Kをはじめ、高画質に慣れてしまったユーザーに受け入れられるかどうかは微妙なところだ。ただし、小型軽量であるという点と販売価格を考えると相対評価をもう少し高く、ウェアラブルカメラ中級機として考えてもいいのかもしれない。高画質やバッテリー持続時間などは、このサイズと重さを実現するためのトレードオフとして削ぎ落とされた。しかし、それを踏まえて、このサイズでなくては撮れない映像を探してみるのも面白い。