本書のストーリーは、事業再建を専門にするコンサルタントである三枝が、過去にかかわった日本企業5社の事業改革を題材にしたもの。ストーリーはノンフィションとフィクションの間、つまり5社での体験を素材に、どの企業にもあてはまる「経営改革のモデル・ストーリー」を構成したものである。
本書はフィクションであるが、それを感じさせない強烈なリアリティーを放っている。改革のもと、社内に生じる政治力学、葛藤、抵抗勢力とのかけ引きといった細部が徹底して描きだされているのだ。著者はストーリーの進行に合わせて組織硬直化の「症状」を分析したり、改革の「要諦」をまとめたりして、逐一処方箋を示していく。
ストーリーは、現実の直視と分析、先導者の組織化、改革コンセプトの共有、戦略の意思決定、改革シナリオの現場への落とし込み…という改革のモデルパターンをたどって進む。自ら改革すべき企業の代表取締役となり、リスクと利害を共にするコンサルティングスタイルを取る三枝ならではの経験と知識がストーリーの中に凝縮されている。
本書は、経営改革のシミュレーションとして他に類を見ないテキストである。けっきょく、「太陽産業」は各役割を担うリーダーが機能し、8年ぶりの年間黒字決算を達成するのだが、ここに日本企業再生のシナリオがあるような気がしてならない。(棚上 勉)
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24 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
内容は、他人事ではない。,
By カスタマー
レビュー対象商品: V字回復の経営 (単行本)
「V字型回復」という言葉に魅せられてこの本を手に取った。読み出すと止まらず一気に最後まで読み進んだ。2回3回と反復して読んだ個所もあった。 一気に読まずにはいられない理由は、書かれている内容がまさしく自分および自分の会社に当てはまっているものであるからである。喉に渇きを覚えながら、自分の環境(状況)に当てはめながら読んだ。 具体的には、この本には不振事業の50の症状があげられている。例えば、 等々、どきりとすることが書かれている。 これらをヒントにして、現状の置かれている状況を打破したいものである。
18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
続編を期待しています,
By カスタマー
レビュー対象商品: V字回復の経営 (単行本)
三枝さんの「経営パワーの危機」も読みましたが、いずれもストーリーが上手く、引き込まれます。会社再建のストーリーが簡潔に分かるという点では高く評価出来ます。しかし、実際にこの本を元にして同じように会社の建て直しに取組もうと思うと、肝心の分析手法などの説明が不充分です。そこで、分析の手法などに的を絞った続編と参考文献リストがあれば良いと思います。「V字回復:実践編」を期待しています。
15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本物だけが持つ迫力、久しぶりに体が震えた,
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レビュー対象商品: V字回復の経営 (単行本)
Turnaround Specialist~ 三枝匡さんの渾身の力作。三枝三部作(戦略プロフェッショナル、経営パワーの危機)の中でも最も人間くさい描写にまみれたドラマである。この本を読めば、三枝さんが本物の再生請負人であるということがよく分かる。三枝さんのすばらしいところは、ヒューマンドラマを生々しく演出しながらも、一般に言うところの「経営戦略理論」を「机上の空論」であると批判~~せず、むしろ積極的にその価値を認めているところだ。この手の生々しい物語の多くは現場主義を標榜しながらも「戦略は絵に描いた餅だ」とうそぶいた触れこみで読者層を集めているものが多いが、この本はそれらとは違い、格調の高ささえ感じてしまう。~~ 4ヶ月かけて作り上げた再生プランの現場プレゼンテーションで、横柄な態度をとった管理職に主人公の黒岩が怒鳴りつける場面では体が震えてしまった。これだけの熱意とパワーを常に持っていられるかどうか、今後も私自身自問自答していきたい。すべてのサラリーマンにお勧めである。~
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