イアン・カーティス(vocals), バーナード・サムナー(guitar, keyboards), ピーター・フック(bass), スティーヴン・モリス(drums)からなる
イギリスのポストパンク・バンド、ジョイ・ディヴィジョンが1979年に発表したデビュー作。
終始一貫して暗い。あまりにもプリミティヴな絶望。差し迫って押し寄せてくるのは危機的なざわめき。延々と無機質にたゆたうサムナーの
ギター。延々と精密機械を想わせるモリスのドラムス。従来の役割から逸脱して延々と危うげな研究に没頭してるかのようなフックのベース。
フィーリングを極限まで削げ落とした冷厳なグルーヴ。だが内部に抱えた火山。支配的カリスマのカーティス。無力だ。無防備だ。晒してる。
でも大人。人格者。哲学者。造物主めいてさえくる。粗野で血気盛んな感情の爆発とは明確に違う新しい価値。意義。前衛芸術。
天才神話の衣装。それすら彼にとっては自由を束縛する拘禁衣。それをぶち破ることが一年後の首吊り自殺。
本当のところスター然とするには人が好すぎたんだろう。神経が細かすぎたんだろう。
それにしても「Shadowplay」の美しいこと。。ダークだけど恍惚、ダークだけど遊惰なギターリフにほぐされる。とろけるような顔を
してるだろう?これを聴いてるときの僕は。それでいいんだ。それでいいのに。それもひとつの仮面なのかもしれない。