As a result of a strange phone call in the middle of the night, Quinn, a writer of detective stories, becomes enmeshed in a case more puzzling than any he might have written.
Ghosts
Blue, a student of Brown, has been hired by White to spy on Black. From a window of a rented room on Orange Street, Blue keeps watch on his subject, who is across the street, staring out of his window.
The Locked Room
Fanshawe has disappeared, leaving behind his wife and baby and a cache of extraordinary novels, plays, and poems. What happened to him--and why is the narrator, Fanshawe's boyhood friend, lured obsessively into his life?
登録情報
|
オースターには、作家のファンが多いようですが、それもうなずける完成度の高さです。ドン・キホーテや白鯨からの引用など、多少衒学的と言えなくもないですが、とにかく美しい英語で、読者を妖しい世界へといざなってくれます。この三部作で、オースターは繰り返し、見るものと見られるものの関係を突きつめて行きます。自己を形成するためには外から情報を入れなければならない、しかし外からの情報は自分自身ではない、という矛盾を見つめ、自己と周りの境界線の不確かさにチャレンジしていくところが、この作品の醍醐味です。わたしは自我の存在基盤の不安定さについて考えさせられました。それほど長くもなく、読みやすい英語なので、ぜひ原著で読みたい作品です。
一番小説らしいのは最後の"The Locked~~ Room"だけで、他の2作品は昔のATGの白黒映画を見ているかのようでした。
3作をとおしてのテーマは、「失踪」ということになるのでしょうが、それは後年の"Reviathan"にもつながるテーマであり、この作家の永遠のテーマなのでしょう。
この作家の魅力は、ストーリーテリングの上手さというより(ストーリーテリングの才も素晴らしいのですが)、それぞれが~~「詩」ではないかとさえおもえるような魅惑的な文章(パラグラフ)をひとつのピースとして構成された、楽しくそして本当に奇妙なジグソーパズル状の物語にあるのだ、と私はおもっています。ストーリーというストーリーがない"City of Glass"と"Ghosts"はまさにその典型でしょう。~
|
|
|