前作で地方検事だったウールナーは、巡回裁判所(第一審裁判所)の判事になっている。第2作も舞台はオレゴン州のポートランドだが、著者はここで初めて州のエスタブリッシュメント社会を細密に描き出す。というのも、前作の主題が継父に凌辱された少女の「法と正義」への復讐であるとすれば、第2作は有名人士、権力志向の法曹人、資産家たちの腐臭を発する「輪」がテーマだからである。
地方検事補が金銭欲と権勢欲を満足させるために、取り調べ中の殺人犯に妻殺しを委嘱した疑いで、地元警察に逮捕された。検事局に事件を任せたら訴追しない恐れがあるとみたウールナーは、隠遁を決め込むアントネッリを引きずり出して特別検察官に任命する。初めて有罪の者を有罪にする側に回ったアントネッリだが、やはりここでも勝つ。そして、検事補に死刑が言い渡される日、ポートランド・バレエ協会のグレイ理事長が射殺された。容疑者は、なんとウールナー判事の最愛の妻、アルマだという。
当然、アントネッリが弁護を買って出る。彼はこの町の有名人士たちの怪しげな関係を突き止め、事件はグレイとのソドム関係を世間に知られたくない者の犯行と確信する。ところが、それを法廷で立証しようとした時、アルマが信じられないことを口にし、その一言でアントネッリの弁論のすべては音を立てて崩れ落ちた。
ほとんどの読者は、この瞬間まで、グレイ殺しはスキャンダルをおそれる有名人士の犯行と推理しているかもしれない。あるいは、月並みな筋立てに失望しかけたところかもしれない。しかし、最後の最後に、轟音(ごうおん)とともに現れるものの凄まじさに身震いするだろう。ただのドンデン返しではない。純愛と肉欲のはざまで懊悩する魂の、悲愴をうたうフィナーレなのである。(伊藤延司) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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しかしながら、「妻殺し」のエピソードは面白く読ませてもらった。
4冊目、5冊目が楽しみである。
主人公が心の中で思っていることが、
皮肉っぽいのだけど、
真理だなぁ~とくすりと笑えてしまうところが
大いにあり。
ストーリーは、結構、残酷です。