タイトル通り、日系アメリカ人のプロファイラーが活躍する物語。表紙の写真はそのプロファイラーを模したものでしょう。中身の犯人が徐々に徐々に浮かび上がっていく手法は作者お手の物で、構成は非常に手馴れたものを感じます。
この本がインターネットが無い時代や黎明期だったら、もっと高い評価を付けました。しかし、今はスマートフォンでネットにアクセスする時代。読者を馬鹿にしてはいけないと言うか、とっくに「ガセ」と認定されている事件を挙げてもっともらしく説明している部分等は、2008年に出版された本としてはお粗末さを感じます。
更に、結末がこの「ガセ」を用いているのでなんともがっかりです。
また、FBIに勤務していたプロファイラーが日本人の警察官に向かって「日本に、ストーカーという言葉がありますね。」と言うのも、なんとも奇妙な印象を受けます。このセリフの後に続くセリフに関しても。
いつも思うのですが、この作者は素材を活かし切れて居ない感じがします。全体の構成や言い回しはすらすらと読み易い、良い書き手なのですが、主人公が安っぽいハードボイルド調であったり、類型的な登場人物だったり、具体的な商品名が突然出てきたり、設定が間違っていたり。
せっかく良い設計図を書いて良い建築をしているにも関わらず、近所の中学生に内装工事をさせて、あとは知らん振りされた家の様な感じがします。