自分はあんまりこのOMDのことをエレクトロポップのバンドとしては評価していない。以前ザ・スミスのジョニー・マーがインタビューで言っていたように、「ああいう連中にとってシンセは単なる道具に過ぎない」みたいな。で、そうじゃない「真性の」エレクトロ・ポップのバンドとしてNew OrderやDepeche Mode、Pet Shop Boysあたりが挙げられていたような。
完全にその見方に同意する訳じゃないのだが、Human League、初期Tears For FearsとこのOMDについては個人的に「ポップ」バンドではあっても「エレポップ」だとは考えていない。じゃあ「エレポップ」って何なの、と問われると…やっぱり「音色に対するこだわり」だと思う。その意味でVince Clarkeは筋金入りのエレポップの匠だと思うし、彼の仕事は初期DMにせよYazooにせよErasureにせよ一本芯の通った「エレポップ魂」みたいなものを感じる。
で、肝心のOMDなのだが、いくつか出回っている彼らのベスト盤のうち自分的にオススメなのはこれ。理由は、アルバム『Sugar Tax』から4枚目のシングルカットだった"Call My Name"のシングル・リミックスが収録されてるから。この曲は確かUKで50位くらいまでしかいかなかったのだけど、切ない系のメロディと弾けたポップ・ハウス的なアレンジが見事に合わさった名曲だと思う。他にも"Sailing On The Seven Seas"はインダストリアル・テクノとグラム・ロックとゴスペルの折衷みたいな曲で、Depeche Modeの"Personal Jesus"やPet Shop Boysの"Can You Forgive Her?"と並列で語られるべき楽曲だと思う。20年代のサイレント映画の女優へのオマージュ的な内容の"Pandra's Box"もなかなかの佳曲ではないかと(この曲もアルバムとは異なるシングル・バージョンで収録)。
ただ、やっぱり個人的に感じるのは聴きやすいけど飽きやすい、NOやDMやPSBと較べると薄っぺらで深みに欠ける音楽だなあ、ということで。単に私が根暗趣味なだけかも知れないが。