本書の醍醐味のひとつは、調査によって明かされる億万長者の意外な顔である。超高級住宅街の豪邸に住み、派手なバカンスにゴルフ三昧の日々…というのが資産家の一般的なイメージだが、実際は倹約の精神に貫かれた生活を送っていることがわかる。クーポン券の収集、ディスカウントストアで日用品のまとめ買い、というのがこの人たちの「買い方」なのである。
もうひとつは、億万長者が語る成功の秘訣や、彼らを億万長者にした独特の発想である。学校の成績やIQ、MBAの有無はいっさい関係なく、誠実さや人とうまくやっていく能力があったからだ、というのである。「自営でないほうが、むしろリスクが高い」「真のリスクは他人に人生をコントロールされること」といった起業家精神や、「ローンに頼らない」「上場企業だけを投資先にしない」といった金融・投資の哲学は、傾聴に値する。
調査結果をただまとめただけでは、これほど読みごたえのあるものにはならない。著者の鋭い推論や、自己啓発を促す巧みな文章が、この「億万長者シリーズ」の2作をベストセラーに導いた要因であろう。(棚上 勉) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
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基本的には、「質素にくらして収入を増やす。リスクを恐れない。」など、「金持ち父さん」の主張とほぼ変わらない。お金持ちになるためには月々の収支をプラスにすることが必要なのだ。ただ、それだけでは著者の言う蓄財優等生の仲間入りはできない。なんせ年収の2-5倍の資産があることが条件なのであるから、預貯金だけでは到底達することができないのである。
本書では、住宅の購入、投資、配偶者の選択などについて、アメリカの金持ちがどのような行動をとっているかが具体的な例を挙げながら述べられている。日本特有の事情もあるので、必ずしも筆者の主張にはうなずけないが大いに参考にはなる。また、資産100万ドルクラスの金持ちと1000万ドルクラスの金持ちとの行動の違いも述べられており、資産の増加に伴う変化もうかがえ面白い。
どんな職業につき、どのように余暇を過ごすか、どこで買い物をするかといった選択のたびに、我々はお金持ちになるか貧乏になるかを選択をしている。現在の生活習慣は20年後の経済状態を決めるのである。
ロバートキヨサキの著書が、賢い投資家になるための仕組みつくりを強調するのに対し、この本はリスクをとって事業をすることによる資産形成を勧めています。最初に「普通の人が金持ち」と書きましたが、著者は「天才・秀才は金持ちになれない」とまで言い切っています。有名大学を卒業した天才・秀才だからといって期待されるほど出世していないことや、その一方で、中学生ぐらいの頃の「普通の人」が会社社長として資産家となっている例は、皆さんの経験でもいくつかはご存知かと思います。
著者の提案する金持ちの条件は非常にシンプルです。
1.誠実-誰に対しても正直であること
2.自己鍛錬-自分で自分をコントロールすること
3.社会性-人とうまくやっていくこと
4.配偶者の支えがあること
5.勤勉-普通のひとより一生懸命働くこと
その他にも、投資(買い物)をする時は、一時点の支出額ではなく保有期間中のトータルな支出額をベースに投資先を選定すべきであること、「何でも自分でやる」ことは倹約ではなくお金を生み出すことに貢献しないのであれば、外部のサービスにお金を払って利用することなどを推奨しています。
経営学でのキャッシュフロー経営とコアビジネスへの経営資源の集中を個人に当てはめる方法をわかりやすく説明している本と言えるでしょう。
「なぜ、この人たちは金持ちになったのか」は、カリスマ的な金持ちが書いた本ではありません。緻密なアンケート調査により浮かび上がった意外な億万長者の姿を解き明かした本です。2001年5月の発刊で少し古い本ですが、起業を目指す方が増えている現在、もう一度手にとって見るべき良著と言えます。
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