本書の特長は、マーケティング理論の基本を押さえながら、過去のさまざまなケースをひも解き、実践のポイントをわかりやすく示した点にある。実務家の立場から、消費者理解のための調査やナレッジマイニング、ブランド開発、新製品開発、マーケティングの4Pの実践方法などが、具体的なケースとともに詳細に論じられている。
ケースの豊富さは本書の一番の魅力である。歯磨き粉業界における過度のセグメント化の隙間を突いて成功したコルゲートの例や、かつて向かうところ敵なしだったリーバイスが自社製品を売る場所を間違ったばかりに70%のシェアを20%にまで落としてしまった例、著者自身の成功例・失敗例など、興味深い例は枚挙に暇がない。
本書のように、理論と実践のバランスが取れた本にはそうお目にかかれるものではない。また、コカ・コーラのマーケティング本部に所属する著者が翻訳していることもあり、訳文もこなれている。P&G、ウォルト・ディズニー、コカ・コーラのマーケティングノウハウを知りたい人や、豊富なケースを学びたい人に、ぜひおすすめしたい1冊である。(土井英司) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
本書は、豊富な成功・失敗事例を示しながら、それら企業の戦略に共通する最新の理論と実践法をまとめたもの。用語解説を含めた学術書としての要素と、参考事例集としての要素が配分よく織り込まれている。
まずは、マーケティングの基本と計画の策定方法を解説する。例えばブレーンストーミング1つでも、創造性を最大限に引き出せるものと使えないものがあると指摘。「カジュアルな服装を奨励する」など、何気ないことだが、成果を重視する場合には極めて重要な鉄則があることを論理的に示す。
また、一般的な実務書との違いは、広告代理店とのつき合い方を記した章に表れている。「広告代理店はあなたのパートナーではない。『わが社の調査はベストです』といった発言は“たわごと”である」など手厳しい。同時に、優秀なクリエーターを上手に活用する方法について詳しく語る。さらに、「広告・宣伝の『6つの大罪』」を示す。自社のロゴの過剰露出や安易な物まねが招く悪しき結果などについて実例を紹介する。
(日経ビジネス 2002/06/10 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
登録情報
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きわめて実践的な内容なのだが、いわゆる「ハウツー本」とは異なり、なぜそのような手法・考え方が良いのかをも論理的に解説しているという、いわば(論理的だが実践的でない)マーケティング理論書と、(実践的だが論理的・普遍的でない)マーケティング「ハウツー本」の両方の良いところだけをとった本である。
内容的には、実務上は非常に重要なのだが一般的なマーケティング本には網羅されていない「イベント」や「流通販促」など、多くのマーケティング活動が網羅的に解説されている。また、「優れた広告」の製作手法に加えて、「いかに上手に広告代理店と働くか」が解説されているなど、一般的なマーケティングのスキルだけでなく、組織運営についても踏み込んでいる、非常にユニークで、かつ実践的な内容である。また、全ての章に、著者のP&G、コカ・コーラ、ディズニー時代の豊富な成功・失敗例が紹介されているのもわかりやすい。
訳者がP&Gのマーケティング部出身のコンサルタント、及び現役のコカ・コーラのマーケティング部社員であることも、この本の内容に対する信頼を高めている。
マーケティングを日々実践しているマーケティング担当者はもちろん、広告代理店のマーケティング部や、マーケティングとは何かを理解したい学生にもお勧めの一冊。
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