アフガニスタンを舞台にした物語に出会う機会はあまり多くはない。
本作は、ソビエトによるアフガン侵攻から現在にいたるまでを描いている。
前半は、ソビエト軍の侵攻前夜のアフガンの風景が、上流階級の少年の目で
描かれ、内戦に苦しむ同国の現状ばかりをニュースで耳にする私には非常に
新鮮に映った。しかし、その中でも父親の愛情を渇望し、身分制度の中に
知らず知らすの間に取り込まれた少年の物語は、どこの国にも共通の普遍的な
テーマとアフガンの文化を取り込んでいる。少年期の主人公アミールの
心の動きの描写などは見事。使用人の息子ハッサンへの複雑な感情がつぶさに
描かれている。ただ、惜しむらくは、アフガンを離れてから再び戻るまでの
展開がやや雑に思われる点か。二十余年に及ぶ長い時間を描いているので、
このボリュームに収めようとするとそれも仕方がないかも知れないが…。
英語は比較的易しい。時折出てくるペルシャ語の単語に最初戸惑うが、
比較的よみやすいと思う。