本の内容の受け取り方は人によってさまざまですし、もちろん自由なのですが、私はこの内容に宗教的なニアンスが多
く含まれていると感じました。
日本人は敬遠しがちですが、作者自身もそうですし、欧米でベストセラーになったことを考えますと、キリスト教的な背景
があることは否めません(作者については英文Wiki参照)。
もちろん、10巻の巻物を中心に読むこともできますが、かといってハウツーものとして捉えるには少し無理があり、小説
の魅力も半減してしまうように思えました。
その観点で読むと、内容の中心は半分近くを占める10巻の中身についてではなく、むしろそれをめぐる背景にある気が
します。
ネタバレっぽくなってしまうのですが山場は2ヵ所。ハフィッドが主人から預かった大事な商品の赤い上着を、生まれた
ばかりの赤子をかかえた貧しい家族にあげてしまう、洞窟での場面(chapter four)と、最後の場面(chapter eighteen)
で年老いたハフィッドがPaulという人物に出会い、その上着と再び巡り会うところだと思います。赤い上着は十字架で処
刑されたJesusなる人物が所有していました。
若いハフィッドが洞窟で遭遇したのはキリストの生誕であり、そのJesus(イエズス)は処刑されるまで生涯その上着を
大事に所有し、年老いたハフィッドが出会ったのが、何らかの経緯(詳細はPart2 The End of the Story)でそれを入手
したPaul(使徒パウロ)だったのです。
全体に“無償の愛”が底流をなしており、感動的な出会いの場面とともに暖かな心持ちにさせらる物語です。
最後に、この本はぜひ原文で読むことをお勧めします(安いですしね)。私も英語は苦手ですが、辞書を引き引き時間を
かけて何とか読み終えました。