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著者の主張を端的に言えば、「世界で唯一の覇権国になった」アメリカは、「世界政治の中心舞台」たるユーラシア全体を対象とする総合的で長期的な統合地政戦略を確立し、実行すべきであるということである。では、アメリカはユーラシアという「壮大なるチェス盤」の上でどう行動すべきなのか。
紙面の都合上、東アジア国際秩序についてのみ紹介すると、次のように主張している。米中両国は、ともにユーラシアで互いを必要とし、自然と相手を同盟国と見なすに至る。その潜在的なパートナーシップを活かすことが、ユーラシアにおける安定した勢力均衡のために必要である。従ってアメリカは、中国との戦略的理解を深め、同時に事実上の「被保護国」である日本を文民国家の枠内に「封じ込める」べきである。
ここには、アメリカ国際政治学の泰斗・キッシンジャーと同様、根強い対日不信感が感じられる。今年は日米交流150周年の年にあたり、日米同盟締結からは60年近くを経た。けれども、日本は未だ信用されるに至っていないのであろうか。「基本的価値観を共有する」同盟関係による「平和と反映そして友情」という言葉だけでは足りない何かが日米関係にはあるのであろう。
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