少年が小さいころからいつも近くにある大きな木。少年は木登りやかくれんぼで遊び、木の実を食べ、木のことが大好きだ。木もとても幸せだった。 少年が成長すると、もっと大事な人や物ができて木との距離が広がりはじめる。迷ったときや困ったとき、都合のよいときにだけ木を頼ってやってくる身勝手な少年。それなのに木は、たわわに実った実を持っていけ、枝を刈って家を作ればいい、太い幹を切り倒して舟を作ればいいと無償の愛を注ぎ続ける。そんな木の姿から、生きていく上で一番大切なことを教えられる。 日本語では「木」と訳されているが、原書は「her=彼女」と女性名詞になっている。どっしりと揺るぎない、母性的な愛情が感じられる。(か) Copyright ペイパーウェイト・ブックス All rights reserved.