いきなりHegemonyと辺境の蛮族・Ousterのハイペリオンをめぐる大戦争が始まるところから、この後編は幕があきます。
この作品は三部構成になっていて、多少なかだるみのあった第一部が終わり第二部にはいると、「Hyperion」で親子の愛情を切々と語った第四話の「学者の物語」のその後を中心に話しがすすみ、学者・ソルが娘・レイチェルを怪物・シュライクにささげるラストまで感動の連続でした。特に"Say yes, Daddy."(イエスって言うのよ、パパ)の台詞には涙ぼろぼろでした。
さて、Googleが発達するとこうなるのかとおもわせるTechnoCoreがどこに存在するのか、TechnoCoreとはいったい何者なのか、こちらは本当に意外な結末に唖然としました。いずれにしろ、インターネット勃興前夜の1989年と1990年に書かれた、インターネット時代を先取りした素晴らしい小説と言えるのでしょう、少なくてもHegemonyと辺境の蛮族・Ousterとの戦いの結末については。
しかし、エピローグの直前の章・第45章で巡礼たちの運命について、意外な話しの展開があるのですが(これについてはなんの前触れも、伏線もありません)、それが私にとっては、ちょっととってつけたような結末という印象を持ちました。(残念だな〜) 巡礼たちの運命にかかわる最後の二章は、もっとページをつかってしっかり描き込んで欲しかったと考えています。で、ここで一点減点です。
私の好きな場面:
辺境の蛮族・Ousterが奏でられる音楽の音色とともに初めて登場する場面は、「Hyperion」二部作のなかで飛び抜けて出色のシーンです。ダン・シモンズによって描写されるこの辺境の蛮族の優雅で美しいことといったら、まるでビスコンティの映画のワンシーンをみているようで、それこそ一幅の絵画だったと言えるでしょう。