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読み始めた途端に、映画との余りの違いに驚きました。もちろん、重なるエピソードはあるし、原作のどのシーンとどのシーンをくっつけて映画のあのシーンがあるのか、といったこともわかってそれはそれで面白いのですが、でも、それぞれのシーンは全く別の文脈の中に置かれているような印象を受けます。
小説は、4人の登場人物の1人1人が、どうやって、自分の中の戦争を終わらせるか、ということについての物語です。4人の1人1人が、戦争によって、自分自身を深く深く損なっている。そしてその4人が、あるいは自分の物語を話し、あるいは自分の物語を思い出し、あるいは人の物語を聞き、そしてあるいは全く別の物語を語ることによって、自分の中の戦争と向き合います。
筋がたどりにくいという感想があるみたいですが、むしろ、いくつもの物語が絡み合ったポリフォニックな小説なのだと思います。そしてその絡み合った物語は4人の複雑な関係に対応していて、そして4人が奇妙な共同生活を送る僧院は、物語が語られ、それによって関係が作られる場所として不思議な魅力を持つようになります。
ラブストーリーではありません。様々な感情と様々な関係についての物語。愛はその1つでしかないし、恋愛が前面に出てこないからこそ、この小説はいい小説なのだと思います。映画に興味がない人もぜひ。
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