彼の持論は,いたってシンプル。それは,「マーケティングとは,物を売るためのものであって,芸術品ではない。会社の売上高総資産率を上げるような目標を設定し,その達成に向けた戦略を練ることなく,いわゆる『クリエイティブ』な広告を,闇雲に制作しても無意味」と,繰り返し強調する。
たとえば,ライバルのペプシが,無色透明な「クリスタルペプシ」を発売した際は,「透明なコークを発売すれば,この製品を負かすことは可能。しかし,そもそも『透明なコーラ』の市場自体が小さ過ぎる」と判断。「透明なコーラ」というカテゴリー自体を消滅させることを目的とした新商品を開発し,その目的を見事に果たしたという。
著者の主張自体は,まったくの正論だが,それが,理屈でなく,彼自身の経験を根拠としていることが,本書の面白さと言えるだろう。 (ブックレビュー社)
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本書にも指摘されているように、我々マーケッターはクリエイティブの名のもとに斬新なキャンペーンを企画し注目を集めようとすることが多い。セルジオ・ジーマンは指摘する「それはビジネスのゴール(利益を上げる)とは本当に合致しているのか?」私自身、頭では理解していたが、全ての行動が一致していたか、、、と問われると恥ずかしながら自信がない。
この本は、マーケ担当者がテキストにするような理論を書いたものではなく、ビジネスやマーケティングに対する考え方を再確認するのに絶好だと思う。私には、”ビジネスを進めるならゴールを知り、信念と情熱を持て!”と著者に言われているような気がした。
是非多くの人にお勧めしたい。そして読んだ後は、実行あるのみ!
第一部「マーケティングは、ミステリーなんかじゃない」、第二部「いかにしてより多く販売し、儲けるか」、第三部「誰が実行するのか」の3部構成。一貫したメッセージは、企業にとってマーケティングの唯一の目標は利益を出すことであり、どんなに皆が好きなキャンペーンでも、素晴らしい賞をとるような広告でも、利益を出さなければ全く評価できないということである。
現在のいわゆる「マーケッター」と言われる人たちへの痛烈な批判であるだけでなく、利益を出す為の「本当のマーケティング」のコツが、豊富な事例に基づいて、わかりやすい文章で、かつ面白おかしく解説されている。論理やチェックポイントを明示しているわけではないので、すぐ業務に使えるというわけではないが、マーケティングの原点・心構えを説いた本としては貴重な本である。
特に消費者向けのB2Cマーケティングを行う会社のマーケティング担当者には、初心に戻る為にも是非呼んで欲しい良書である。また、マーケティングに関連する職業を志望する学生にも、「なんだか難しいマーケティング」をやさしく解説し、その心構えを解説しているので、是非呼んで欲しい。語り掛けるような文章で読みやすいので、通勤電車の中でも十分読める。ただ、読むだけでなく、それを普普段の業務の中で実行することが本当に必要なことであるが。
マーケティングについての心構えを知るには絶好の本である。フレームワークは一切ないが、コカコーラ社の元マーケティング最高責任者がどんな観点で物事を考えてきたか、リアルな姿が描かれている。「マーケティングならたくさん本を読んだ。もう知っている」と思う方にもお勧めです。