エアチェックが 聴きたい音楽を聴く為の有効な、そして金の無い身には殆ど唯一の手段だった頃、
某FMの深夜番組のエンディングにこの作品の中の「ヴェラス」が長く使われていた。
AMERICAN DJのWilliam Jackson という御仁が当日のプログラムなどについて英語でコメントし
その後に日本人DJが締めと次回プログラムの番宣をしていたように記憶している。
そしてエンディングの言葉で「アメリカンDJは」と振られ「As Always,Willam Jackson.」と応えて
いた。その後もしばらく曲は流れ、やがてフェイドアウト・・・。エアチェックした当時のテープ何本もに
録音された過ぎた時代のひとこま。今でもこのトゥーツシールマンスのハーモニカとクインシーの流麗なアレンジを
耳にすると、いろんな空気が鼻先に甦り、スタンドの蛍光灯の白さや白みかけた窓の外の薄暗さ
がフラッシュバックしてくる。「明日は(厳密には今日は)違う日だ」と信じて疑わなかった頃の
ほろ苦い記憶や切なさや熱い高ぶり。今はもう消えてしまったものも、かつては確かに
そこにはあったのだと思い返す為の妙薬のような1曲である。