ゴシックメタルの宝庫・オランダ出身の「EPICA」(エピカ)による3rdアルバムです。2007年、日本先行リリースということで購入しました。
ファースト、セカンドと過去2作との比較で言えば、よりパワフルにさらに疾走感が増した感が強くします。彼らの音楽性の特徴として「EPICAオーケストラ」「EPICAクワイヤ」と呼ばれる重厚なオーケストラ効果とメタルとの融合が真っ先に思い浮かべられますが、この作品ではオーケストラが占める比重が後退し、その代わりにメタル色が強まっています。その意味では、同郷の「After Forever」が辿っている軌跡とかなり重なっているように思えます。EPICAはもともと「After Forever」の創始者メンバーであるマーク・ヤンセンが作ったグループだけに「さもありなん」ですが、かつては犬猿の仲と言われた両者の関係を考えると意外と言えば意外です(最近は、ヨリを戻して一緒のステージに立っているそうです)。ギターもより重層的になり、またドラマーが抜けてセッションドラマーがゲスト参加していますが、それがかえってメタル色を強めているようです。ただファーストからのファンにとっては「らしさがなくなった」ととられる可能性も。
紅一点・シモーネ嬢の歌唱力もさらにパワーアップし、相変わらず時に力強く時に妖艶にと表現力豊か。男性デス声との美醜の対立構造というゴシックメタルのお約束もさらに磨きがかかっています。シモーネ嬢のボーカルはAfter Foreverのフロール嬢ほどマッチョ志向にならず、適度にヨーロッパ的叙情感を醸し出すあたりが憎いです。なお、「日本盤のみボーナストラック」というサービスは今回はなしです(ああいう輸入盤潰しともいえる、姑息な商法は個人的に嫌悪感すら感じます)。