アマゾン・コムで予約宣伝しているときから読みたいと思っていた。私はパキスタンに住んでいるので、バンコクに行く人に頼んでKindleに取り込むことも考えたが、John Grisham氏の小説なので本で買おうと思って日本で発売されるまで我慢していた。(そうです、私は「A Time to Kill」以来のGrishamファンなのです。)そして手に入れたのが11月12日である。
書き出しも滑らかで、すぐに話の筋を追っていくことが出来たので、一生懸命読んで、休日が続いていたことと、おもしろかったこともあって一週間ほどで読み終えた。満足した。たぶんベストセラー入りするだろう。
話はこうである、これから読む人のために、ほんのさわりだけを述べる。強姦と殺人罪で死刑を宣告された黒人青年の死刑執行を三日後の木曜日に控えた月曜日に、うらぶれた一人の男が牧師館にやってきて、あの事件の犯人は自分だ、と牧師に告白する。この事件は9年前に起きており、死刑を宣告された黒人青年は高校フットボールの人気選手であり、殺されたのは同じ高校のチアガールだった。その男、真犯人を名乗る男は、脳腫瘍に侵されており、余命いくばくもない事から罪を告白する気になったのだと牧師に訴える。牧師がその男の背景を調べたところ、確かに多くの罪を犯して今は仮出所の身であるということが分かったが、そのような男だけに告白をそのまま信用してよいものかどうか迷うのだった。
これ以上はこれから読む人のために言えない。しかし困ったことにこれだけではこの本のおもしろさを伝えることが出来ないのである。定められた時間内に証拠を集めないと無実の拘留者が死刑になる、という時間との競争のサスペンス小説ではあるが、それだけでは終わらない。いつもの事ながら一ひねりも二ひねりもある作者の筋書きであるが、今回は見事に成功したと思う。牧師の勇気と、執念の人権派弁護士(こういう人は大体あくが強すぎて嫌われるのだが)の物語であった。設定もこれまでに無いような斬新なものであり、久しぶりにグリシャムらしい鮮やかな小説だった。