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そして、血のつながりの不思議さ。
祖父と孫が互いに傷つけあい、それでもお互いの結びつきを捨てられない葛藤。常に人種的偏見を自分の人生の指針にして生きてきた自分の人生に対する葛藤に悩みながら、家族のために、そして、誰も知らなくても自分自身が認める罪のために、他人の罪をかぶったまま死んでいこうとする祖父の葛藤。死の恐怖におびえながら、毎朝の夜明けを見つめる彼の視線には、理性、高潔な魂の輝きを感じます。それなのに、彼は生きている間ずっと、人種差別主義者であったのです。
彼の孫と同じように、読者の私たちも、死刑囚サムという人間について考えずにいられません。
彼は天使ではない。
しかし、本当に彼は死ななければならないのだろうか。
しかも、死の罪を受けるべき人間はほかにいるというのに、、、
その疑問を抱きながら、同時に、彼が確実に不幸にしてきた人間たちのことを知れば知るほど、ますますわからなくなってきます。
死刑制度、人種差別、この2つのテーマに対して、
グリシャムがどれほど考え抜いてきたか、その一端を感じることができます。
読後感は、重く、苦しい。
けれども、何かが胸の中に残る。
作家としてのグリシャムの良心を感じる作品です。
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