――もし君が本当に僕の話を聞きたいんだったら、おそらく君が最初に知りたいのは、僕がどこで生まれただとか、しみったれた幼年時代がどんなものだったかとか、僕が生まれる前に両親はどんな仕事をしていたかなんていう「デビッド・カッパーフィルド」調のやつなんだろうけど、僕はそんなこと話す気になんてなれないんだな。第1、そんなの僕自身退屈なだけだし、第2に、もし僕が両親についてひどく私的なことでも話したとしたら、2人ともそれぞれ2回ずつくらい頭に血を上らせることになってしまうからね――。
ホールデン少年は、教師をはじめとしてインチキなやつら(いうまでもなくこの両者は互いに相容れないものではない)と遭遇することになるのだが、こうした人物に向けられる風刺がきいた彼の言葉の数々は、10代の若者が誰しも味わう疎外感の本質をしっかりと捉えている。 --このテキストは、 マスマーケット 版に関連付けられています。
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人それぞれ歳に関係なく、日々何を感じて、見て、吸収してきたかによって、コールドフィードはより繊細なガラス細工となって時にもろくも鋭い凶器になったりしながら、きらきらと、どんなにか細い光をも捕らえ二とない色を反射し、私たちを惹き付け続けることだと思います。
あとこれは個人的な意見ですが、私は野崎氏、村上(春樹)氏の訳どちらでも読んだのですが、野崎氏の訳のほうが的確にコールドフィードのキャラクターを表せているんではないかと思いました。村上氏のコールドフィードは、どこかぎこちなさが残っているように感じます。
野崎氏の訳のほうが、主人公のしゃべり方のくずし加減がちょうどいいんではないでしょうか。
当たり前ですが、洋書は訳によってかなり内容もかわって見えますし、読む側に与える印象も違ってくるので、慎重に翻訳物は選んだほうがいいと思い、触れておきました。
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