『ライアーズ・ポーカー』(原著1990)でスターになったマイケル・ルイスの20年後の新作。この20年間、彼の知るウォール・ストリートが幕引きになることを待っていた筆者が、投資銀行を絶滅させた2010年の世界危機に際して、サブプライム・ローンの破綻(The Big Short)に賭けて大儲けをした人々のライフ・ストーリーをたどったノン・フィクション。
スティーブ・エイスマンと仲間たち、マイク・バリー、そしてチャーリー・レドレーと仲間たちは、それぞれに「奇妙な(odd)」人々であったことが明らかにされる。そして、彼らのように合理的かつ正しい推論を行い、行動に移し、自分の推論を検討し続け、そして正しい限り信じ続け、行動し続けることがいかに大変な、そして奇妙なことか我々は本書から知ることになる。ジリアン・テット『愚者の黄金(Fool's Gold)』によって、いかにCDSやCDOが造られたかを知った人々は、本書によって、それがいかに「正しく」使われたかを知ることができよう。
『ライアーズ・ポーカー』は、筆者の期待に反して、世界の若者たちにとってウォール・ストリートのマニュアルになってしまった。本書は、若者にいかに読まれるだろうか。Are we Eisman, Burry, or Ledley man through and through?