著者のアリンナ・ワイスマン氏は、マサチューセッツ州バリーの「インサイト・メディテーション・センター」で指導にあたるヴィパッサナー瞑想の指導者です。
本書は、著者の親しみやすい語り口で、ヴィパッサナー瞑想時においての心構えについて述べられています。
具体的な瞑想法としては、歩く瞑想、座る瞑想のやり方がかかれていますが、あくまで形式にこだわらず、「気づき」がどういうものかを実に丁寧に教えてくれます。
読者の抱きそうな疑問や、陥りそうな気分を予測し、それを否定せずに気づかせてくれるというような、共に寄り添うような感覚で書かれているので、大変重宝しています。
この本を読んで、自分が自分自身について、いかに多くのことを「コントロール」したがっているか、また、瞑想中に浮かぶ疑問自体が「気づきの対象である」ことに「気づかされる」場面が非常に多かったです。
そして、「気づく」ということが、イコール「ありのまま」を受容することであり、コントロールを手放すという、それ自体とても慈悲的な行為だということを、この本から教わりました。
折にふれ手にとり、ラインだらけにしてしまいました。
一行一行が深い、本当に良書だと思います。
ただ、細かい形式的なやり方についてはあまり留意していないので、まずはじめたい、という人は、J.カバットジンの「マインドフルネスストレス低減法」が便利だと思います。
また、さらに深く仏教的な視点から突き詰めたい人は「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門」が、親しみやすく奥ゆきがある語り口なので、この三冊はとにかくおすすめです。