5年ぶりとなるアルバムからの先行シングルで、2009年に脱退したジョン・フルシアンテの
友人でもあるジョシュ・クリングホッファーを新ギターリストに迎えての初音源である本作。
まずは新しくこのバンドに加わったギターリストについて軽く紹介を。
弱冠31歳、スタジオ/サポートミュージシャンとして関わったメンツには
ベック、バットホールサーファーズ、PJハーヴェイ、ナールズバークレイ、ウォーペイント等々
ひと癖もふた癖もある実力派の連中ばかり。
最初、彼の名前を知ったのは2004年のジョン・フルシアンテのソロ作品6作連続リリースの時で
その内のアタクシア名義の作品では、フガジのジョー・ラリーと共にメンバーとして名を連ねていたり
他のソロ作品でもクレジットのほとんどに彼の名前があったので良く覚えている。
そんな彼が加わった今回のシングル。
チャドのハンマーを振り下ろすような力強い縦のビートに、フリーの少しパンク/ダブっぽいベースが
シリアスに跳ねるオープニングは地味だが悪くない。
しかし、右チャンネルでモワーンとしたギターコードが鳴ると
これが曲に対してあまり効果を与えておらず、少し困惑してしまった。
サビでも急にディスコ・ポップに転調したりして最初は困惑したが、まぁメロディー自体は悪くない。
60年代ポップソングのような高揚感があり、非常にキャッチーで
あまりこのバンドを聞かない人に向けてもアピールするであろう間口の広さがある。
ただ、アンソニーのメロディーは悪くないけど、曲のアレンジや構成が雑すぎ。
まずギター。この曲で機能している役割としては
サビのメロディーをコードやフレーズで補足している事ぐらいで
他にはさっきも書いたように、あまり効果的でない曲に合わせただけのコード弾きか
チープなファンクカッティングが聴こえてくるけど、どちらもこの曲のグルーヴ構成にあまり関係していない。
っというか、リズム面での貢献度はほぼ皆無と言ってもいい。アイデアも気が抜けてて冴えないし
やはりジョンの不在があまりにも大きく目立つ。
ドラムもサビでのリズムがあまりにも短絡的だと思うし、もう少しアイデアを練って欲しかった。
曲の構成についても少し書くと
前半のシリアスなパートとサビのディスコ・ポップのパートを行ったり来たりするだけで、少々単調な印象を受ける。
せっかくサビで盛り上がっているのに、すぐさまシリアスなパートに戻って
盛り上がった気分を急にしぼませるような曲構成にはとても残念に思う。
ポップにするなら徹底的にやった方が面白かったと思うけど、その辺がこの曲に中途半端さを感じる所。
夏の間ラジオから流れる分には良いんだろうけど、買ってまで聴く程のモンじゃないというのが正直な気持ち。
ここ数作のアルバムからの先行シングルと比べても
「スカーティッシュ」、「バイ・ザ・ウェイ」、「ダニー・カリフォルニア」どれも本当に名曲で
どの曲もギターの果たした役割が重要だった。
勿論、フリー、チャド、アンソニーのパートもとても素晴らしかった。
やはりこの曲を聴いていると、ジョンがいる「あの」4人でのレッドホットチリペッパーズが
無敵だったのだなと改めて痛感させられた。
ジョシュには、なにもジョンの代わりをしろと言っている訳じゃない。自分らしいプレイで
このバンドに新しい化学反応を起こして、やっぱジョンがいなきゃなぁ…と言う声をふっ飛ばすような
名曲をこれからバンドで作って貰えたらと思うし、私自身それを願っているが
この曲では残念ながら、彼のギターがもたらすバンドの新たな魅力が私に伝わってくる事は無かった。
それでも…月末に出るアルバムが名作である事を信じて、このレビューを終ります。