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TPP亡国論 (集英社新書)
 
 

TPP亡国論 (集英社新書) [新書]

中野 剛志
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (93件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝する民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。
いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。

内容(「BOOK」データベースより)

TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝した民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/3/17)
  • 言語 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4087205843
  • ISBN-13: 978-4087205848
  • 発売日: 2011/3/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (93件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 TPP参加など論外, 2011/4/9
By 
ふんふん (茨城県つくば市) - レビューをすべて見る
(トップ100レビュアー)   
レビュー対象商品: TPP亡国論 (集英社新書) (新書)
 著者はもともと『自由貿易の罠』(青土社)という本を書いているぐらいなので、「自由貿易」そのものに批判的であり、本書中でもその論拠が述べられている。しかしTPPに関しては、そんな原則的な立場をうんぬんする以前の問題であって、そもそも自由貿易の推進案としてもデキが悪すぎるので、問答無用で却下すべしというのが本書の見解だ。以下にその主張を要約しよう。

 TPP参加賛成派は、TPPに乗り遅れると「世界の孤児」になってしまうので、さっさと参加して「開国」せよと言っている。しかしそもそも今の日本は、「鎖国」と言われるような極端な保護主義と採っているわけではない。全品目平均の関税率は韓国より遥かに低く、アメリカよりも低い。農産物に限定すると、アメリカよりは高いが、韓国より遥かに低く、さらにEUよりも低い。そしてもちろんWTOに加盟しているし、インドやASEANなど12の国・地域とすでにFTAやEPAを締結しており、さらに数ヵ国と調整中だ。これのどこが「鎖国」だと言うのか?
 逆に、TPP参加が「開国」に当たるかどうかも怪しい。参加国を見るとアメリカ以外は小国ばかりであって、中国も韓国も、もちろんEUも参加しないのがTPPだ。これに参加しなかったら「世界の孤児になる」などというのは誇張が過ぎるというものだ。
 TPP参加で関税を撤廃すれば日本からの輸出が増えてハッピーというのもおかしい。輸出先は市場規模からして事実上アメリカしかないが、関税はすでにかなり低くなっており、貿易量を左右する最も重要な要素は「為替」である。そしてアメリカは大々的な金融緩和・ドル安戦略を採っているので、関税撤廃の恩恵など簡単に吹き飛んでしまう。しかも日本のメーカーは現地生産を相当程度進めているので、仮にアメリカ向けの販売が増えても日本の雇用は増えないのだ。

 TPP参加の「メリット」がウソであるのに加え、「デメリット」も存在する。まず、関税撤廃による輸入価格の低下や国際的な価格競争に巻き込まれることによって、現下の「デフレ」が一層進行してしまう。そしてすでに関税率が十分低いのにさらに「開国します」などと宣言すれば、非関税障壁も撤廃せよといった様々な外圧を受けかねないし、今後のWTO交渉や個別FTA・EPA交渉でも例外規定を主張するのが難しくなり、交渉の自由度が減ってしまう。TPPそのものにも、日本の味方になりそうな参加国がない。要するに、交渉戦略上めちゃくちゃ「損」な枠組みなのである。

 著者は基本的に、経常収支の極端な赤字国と黒字国が存在し続ける「グローバルインバランス」は経済危機のリスクを高めるので是正すべきだと考えていて、アメリカが輸出を促進するのは当然だし、日本は内需を拡大して輸入を増やして国際経済に貢献すべきだという。
 ただし、輸入を増やすべきだからといって、今TPPに参加して自由化すればいいかというとそうではない。著者が望ましいとする順序は、「保護主義+財政出動による内需拡大」→「デフレ脱却・経済成長」→「輸入拡大・経常収支黒字削減」→「世界経済の安定に貢献」というものだ。歴史的にも、自由貿易が経済を成長させるのではなく、保護主義による内需拡大・経済成長が輸入をむしろ増加させるというパターンが多い。

 要するに、TPPに断固反対するからといってそれが「鎖国」主義を意味するのではない。本書で述べられているのは、そもそも「開国か?鎖国か?」などという二分法がおかしいのであって、開き方と閉じ方を常に調整して、国益の確保と世界経済への貢献のために多くの選択肢を確保しておこうという程度の穏当な見解だ。「平成の開国」「世界の孤児になる」といった意味不明のスローガンを叫んで、出来合いの、自分たちに不利な枠組みに乗っかろうという民主党の安易すぎるプランを、受け入れるわけにはいかないのである。
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252 人中、224人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 おいしい話には裏がある, 2011/10/8
レビュー対象商品: TPP亡国論 (集英社新書) (新書)
TPPという言葉が公に認知されるようになってまだ一年ぐらいである。APEC横浜開催でなんとか目を引きたい浅知恵でろくに検討もせず、各省庁に連絡もせず、半ば独裁的に決めてしまった菅。 テレビに出てくる自称コメンテーターや評論家も大概メリットしか話さない。 物が安くなると言うが、デフレ下でさらに価格が下がると更なるデフレになり、経済が収縮しやしないか。 非関税障壁撤廃により、外国語を使えという圧力も考えられる。
TPP参加国は、総じて日本という巨大な国内市場を狙っている。アメリカですら、輸出を増やし輸入を減らすと宣言したわけだから、日本がTPPに入ってアジア太平洋の成長を取り込むという目論見は破綻していないか。 一方通行で輸入が増え、低賃金労働力が流れ込み、安価な農業製品が国内農業を破壊する。
TPP推進派は、「バスに乗り遅れるな」と言うが、行き先も途中下車できる
かもわからない極めて危険なバスにどうして乗る必要があるのか、濁している。
政府やマスコミは農業をやり玉に挙げているが、本題は農業以外の金融、
保険、投資、サービスなど多岐にわたる。

そもそもの問題は日本政府がこの「日本にメリットがない」条約に参加したがってることだ。デメリットだらけで
有益でないこの条約に積極的に参加しようとするその姿勢は異様だ。
中には「ルールに納得できないなら離脱する」論があるが、国際社会でそんなことをするのは
信用を失う行為である。国際協調を重視する日本にあってそんなことは不可能に近い。

政府は大嘘をついている。一部の項目は議題に乗せないと強調していたが、すでに米国から
「すべてを議題に乗せる」ように釘を刺されているからだ。
こうなっては外交力のない政府を頂いてる我が国では、国を完全に売ることに等しい。
世界一とWHOも認める、世界に誇るべき日本の医療制度「国民皆保険」すら「解体」させられる可能性が高い。

TPPは植民地政策に近いものである。
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199 人中、171人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 物事を真面目に考えるのに経済学がきちんと使えることを示している非常に希で貴重な本, 2011/5/22
By 
touten2010 (東久留米市ってどーこか?) - レビューをすべて見る
(トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: TPP亡国論 (集英社新書) (新書)
1.TPPは米穀以外の参加国は日本との貿易量も少なく、かつ日本はそれらの国とFTAを既に締結していることから、TPPは日米FTAに他ならない。

2.日米FTAを交渉するのに、米国以外は農産物輸出国ばかりが参加しているTPPの場でわざわざ行うのは、わざわざ不利な戦場を選んでいくということであり、鴨が葱をしょって出かけていくのと一緒で非常に悪い戦略である。

3.仮に実質日米FTAであるTPPを締結したとしても、米国の鉱工業品の関税率は既にほとんど数%しかないことから、日本側の利益はほとんど発生しない。

4.TPPは経済危機にある米国が国内経済扶養・雇用拡大の戦略として日本にしかけているものであり、日本が農産物において大幅な貿易自由化を行い米国に多大な利益を与えるものでなければ米国は締結を認めない。農業が大きな打撃を受け、日本の食料安全保障は脅かされ、国土が荒廃する一方で日本の得るものは少ない。

5.TPPによる.輸入の増加や労働力の輸入自由化は国内のデフレを促進させるため、TPPの締結はデフレに苦しむ日本経済へさらに打撃を与える。

6.デフレ脱却には輸出の増加は役に立たない。デフレ脱却・経済活性化のためには国債を増発し公共事業を増やすことにより適度のインフレを誘導するしかない。

7.政府は米国の要求に従って米軍に日本を守ってもらうためにTPPを締結しなければならないと考えているようだが、守ってもらえないのであれば自己防衛するしかないのであり、日本経済を人身御供として差し出すのは本末転倒である。

書いてあることはまともな人ならほとんどそう思うであろう簡単なことなのだが、何故か今の日本ではそれを言う人はほとんどいなくなっている。戦略的に物事を考える知識人がいなくなっていること事態が日本の大きな危機であると著者は言っているが、その通りだと思う。こういうまともな経済学者が今の日本にもまだいたということにおおいに慰められた。

著者は本来経済産業省の役人であり、このような所属省の政策を真っ向否定する論陣をはることも許容するのが経済産業省のふところの深さだと著者は言うが、本当だろうか?
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