透明感のある彼女の声はす~っとした雰囲気に引き込まれる。そんな彼女のファーストアルバム「ヒアゼアアフター」。いい意味で60年代、70年代の音楽を消化している。もともとモデル出身だったためか、まゆつばものと見られていた時期もあった(90年代後半のこと。彼女は音楽活動はしていたが、本格的デビューはできなかった)。決して大うけするタイプではないが、着実に固定ファンを摑める実力は持っていると思う。ミランダ・リー・リチャーズはもっと高く評価されてもいいはず。このアルバムは音楽好きには好まれるだろう。決して商業的だけにならない姿勢もいい。ローリング・ストーンズのカヴァー曲「タンデライオン」を始めとし、「ザ・ビギナー」「ロング・グッドバイ」「フォーキン・ヘル」などセンスあふれる。明るい日の下で聴くとさらに雰囲気を味わえる。大自然の中で聴きたいアルバムだ。 「ロング・グッドバイ」「 フォーキン・ヘル」は真骨頂。5曲目の「アイ・ノウ・ホワット・イッツ・ライク」はそれまでのアップテンポな曲と違い、悲痛さを感じさせる少し乾いた曲。7曲目の「光のありか」もいい。こういう違った味も出せる。「セブン・アワーズ」は抽象的な曲だが、いい雰囲気が出ている。まるで絵画のようだ。そして、ある意味で複合的な卒業曲のイメージのある11曲目の「ザ・ランドスケープ」。本来ならここで終わってもいいはずだが、ボーナストラックが続く。終わりとしては少しリズムがズレているので、入れるのならもう少し前に入れるべきだった。この眼鏡は4つ星と見た。これからの彼女の活躍を願う。いい音色を奏でて欲しい。