先日、彼女の訃報が世界を駆け巡りました。とても残念です。まだ48歳。
このアルバムが出た頃の音域はもう出なくなっていましたが、ソウルフルな歌魂はこれから磨きがかかるはずだったと思います。
今、輝きを放つ由紀さおりさんやブエナ☆ビスタ☆ソシアルクラブのポルトゥンドさんのように、「運命の出会い」はこれからあったはずです。切ないですね。
さてこのアルバムは映画「ボディーガード」が上映された1992年に上映映画館で購入しました。当初は映画観賞記念に買っただけで、棚に眠っているだけ。どうも感動できないのでした。
しかしその後、オーディオファンとして修業を積んで10年ぶりに聴いてみると、何と凄い作品なのかと驚きました。あちこちの試聴会に持参したり、師匠たちにも話すと、「これはオーディオチェックに最高のアルバムだよ」異口同音です。
再生側の技量を試すアルバムだったのです。以降、更に10年。オーディオファンとしてこのアルバムが機器設定、自分の感度を測る大切なものとなりました。
これぞ頂点と思えるようになったのはほんの最近です。
チェックに使うのはやはり「オールウェイズ・ラブ・ユー 」。彼女の呼吸、消え際がきちんと出るか、伴奏への展開の鮮やかさとノリの変転が再生できるか、3分12秒のドラムの打撃音、ベースの音階再現…等々。そして彼女のハイトーンのロングトーンの質感。 これらをはかるのは感性。グイッとハートを掴まれる再生。そこに立つホイットニーが再現出来ているかです。
このアルバムをそういうチェックアイテムとしてだけでなく愛せる逸話の中からひとつ紹介します。
映画「ボディーガード」はご存じのように、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのケビン・コスナーが制作そのものにも情熱を傾けた作品です。レイチェルの人選は、最初はマドンナを考えていたようです。その証拠はマドンナのドキュメンタリー映画「イン・ベッド・ウィズ・マドンナ」(1991)にあります。
コンサートに来たコスナーが終演後楽屋を訪ねて感想を聞かれます。答えは「Neat…」あのNeetではありません。訳すなら「きちんとしてたね」でしょうか。マドンナは激昂。「二度と会いたくない」と。
おそらくコスナーはマドンナを共演相手じゃないと感じたのでしょう。そしてホイットニーとの作品は映画もサントラも、ハリウッドの歴史に残る作品になりました。
このアルバムの他の歌唱曲も、アーロン・ネヴィルとケニーGのコラボ、ケニーGのノーブレスサックスも素晴らしいです。
これからも私の大切なアルバムです。
ホイットニー・ヒューストンさんの冥福を祈ります。そしてAllways love you.