『コロムビア編 スナッキーで踊ろう』収録曲を中心に、シリーズの他の盤のあちこちからも持ってきたもの。書きおろし解説、各曲解説(加筆はほとんどないが)、オリジナル・シングルのジャケット写真(モノクロ。一部ないものあり)、歌詞つき。収録音量も大きくなったようだ。今ではほとんどのCDが入手困難となっており、そういった意味でも有意義なリリースといえる。当時、すべてのメインスタッフが、こんなレコード(失礼)を本気で売る気でいたというのがまったくもって信じられない伝説の神曲「スナッキーで踊ろう」、“マリア”で“四郎”で「もだえ」てしまったマリア四郎(もちろん、男)など、コサキンソングもいくつか含んでいる。西郷輝彦や美樹克彦とはまた異なるスパークっぷりをみせる港孝也は、全曲聴いてみたいと思わせる逸材。ほぼ全編ファルセットで聴かせる、という点において、山下達郎「悲しみのJODY」の先駆的存在ともいえるムード歌謡「南国の夜」、その庶民的なタカビーぶりが、48年ぶりにミス・ユニバースの栄冠に輝いたあの日本人女性を思わせ、親しみを抱かせる「太陽がほしい」、軽快にもほどがある合いの手が、聴き手の脳をやさしくマッサージする「磯づり音頭」、明朗な歌いっぷりの中に、お相撲さんの哀歓が見え隠れする「当地興行」(増位山バージョンもあるらしい。聴いてみたい…)など、キラ星のごとき名曲揃い。ある意味、これぞ究極のヒーリング・ミュージックと呼べるのではないだろうか。それにしても、ラストを飾る《夜のワーグナー》=藤本卓也閣下の、なんと美声なことか。まるで若本規夫―声優界屈指の“イイ声”。世間的には『サザエさん』のアナゴさんの声で知られる―が歌っているかのようだ・・・。