2008年デビューのピアニスト、天平の1stアルバム。
とび職から一念発起して芸大に入り首席で卒業、格闘家かピアニストのどちらになろうか
迷っていたと言う異色の経歴のピアニストである。
大変刺激的だ。
「ピアニスト」と聞くだけで、人によっては遠ざけてしまうかもしれない。
相変わらずピアノには他の楽器と比べて、お高くとまっている印象が拭えないのも事実だ。
しかしピアノは必ずしもクラシカルな要素だけでなく、無限の可能性を持つ。
彼のピアノは、生々しく感情的に、そんなことを暗に示してくれているのかもしれない。
フレイムや幻想曲、鬼神の円舞等では荒々しく猛々しい「メタルピアノ」とでもいうような演奏を、
一方では、「一期一会」などで繊細な演奏を、
組曲「夏の記憶」では本来のクラシックの良さをだすような演奏を、それぞれの場面で弾きこなす。
基本的な技術に裏打ちされた極上のテクニックは圧巻。
力強いタッチと流れるような繊細なスケールの絡み合いは、そうそう聞けるものではないだろう。
今まで日本の男性でこんなタイプのピアニストを見たことがない。
逆に「ピアノ弾きって、こんな形もありなんだ」と彼は世間に示してくれただろう。
まだまだ彼自身発展途上中で、ピアニストとしてのキャリアは始まったばかり。
今後、どんな刺激をくれるのか楽しみだ。