内容紹介
完全限定1972部。4人組のバンドとなってから最初のアルバム「Electric Warrior/電気の武者」(1971年リリース)。「ゲット・イット・オン」、「ジープスター」といった大ヒットシングル、アルバム「Bolan Boogie」、「The Slider」(1972年リリース)、つまり彼らの絶頂期のとらえた世界的にも貴重な1972年、ニューヨーク、ボストン、パリ、東京で撮影された写真の数々、400頁に渡って掲載されている半数以上がこれまで未公開だったものです。収録写真点数約260点、未発表写真約200点。
レビュー
タバタユリコ/SOLID COMPANY(T.REXファンクラブ)映画化された『20世紀少年』の中で重要なモチーフとなるT.REXの「20th Century Boy」。今、再び注目されるこの曲が、1972年に東京で録音されたことを知る人はそう多くはないだろう。その現場で写真撮影ができた唯一のカメラマンが、鋤田正義氏だということも。 デヴィッド・ボウイの一歩先を進み、グラムロックの黄金時代に君臨したT.REXのマーク・ボラン。わずか5年後に悲劇的な死を迎えることなど知らず、絶頂の日々を謳歌していた1972年6月、鋤田氏と出会う。奇跡的に実現したフォト・セッション。この瞬間からマークにとって SUKITA は特別な撮影者となり、エレキ・ギターを持って髪をなびかせた彼の姿は、究極のポップ・アイコンとしてロック史に残る1枚となった。(ギタリスト布袋寅秦氏がこのポスターを見てギターを手にしたという逸話は有名。) 本作はマーク・ボラン没後30年(2007年)を機に、鋤田氏が膨大なネガを検証して制作したT.REX写真集の決定版である。ロンドン、パリ、ボストン、ニューヨーク、そして初の来日公演でT.REXブームに沸く東京の様子まで、一番近くにいることを許されたカメラマンだけが撮り得た貴重な記録の集大成だ。 完全限定1972部(エディション・ナンバー入り)、全400ページ(B5、ハードカバー、厚さ3センチ、重さ約2キロ)の豪華本。収録写真260点のうち約200点が未発表ものである。巻末付録『Telegram REXpress 2007』には、鋤田氏、高橋靖子氏、石坂敬一氏、今野雄二氏が当時の音楽誌に執筆した原稿を再録。また、松山猛氏、秋間経夫氏、河添剛氏の書き下ろし原稿と共に、ロンドンでT.REX撮影に立ち会った片庭瑞穂氏と鋤田氏との対談(2007年)も収録されている。 1972年のロック・スターの写真が、21世紀の今なお“強力な磁力”で見るものを惹きつけてやまないのは、強靭さと儚さの入り交じった永遠の一瞬を鋤田氏が鮮やかに手元に引き寄せているからだろう。名プロデューサー、トニー・ヴィスコンティは“SUKITAはレンズとフィルム、ライトを使う詩人である”という敬意あふれる序文を寄せている。独特のデザインで知られる羽良多平吉氏の秀逸なアートワークにより、ページをめくるごとに“1972年のT.REXを包む空気”が夢のように美しく立ち現れる。