サマレ、マッツーカ、フィリップス、コールス(SMPC)完成版(1992年)をフィリップスが単独改定した第4楽章がついています。第1〜3楽章まではノヴァーク改訂版です。
「他人の筆の入った楽譜には、ブルックナーの神霊性は無い」とか、「そもそも何回も改稿を重ねて完成させる作曲家の草稿譜をいじったところでなんになる」とか、あまり良い評判はありませんが、拙者はとても気に入りました。堂々とした、素晴らしいフィナーレだと思います。
どれが第1主題、第2主題、第3主題なのか素人なのでよく分からないのですが、最初、グーで殴るような攻撃的な激しい主題が現れた後、5:20から出てくる金管主体の明るい、単純な主題が良いです。何か救いが感じられます。
この部分は15分過ぎにも弦により部分が奏でられ、17分にも金管により再現が試みられますが、18分、19分に第1楽章の主題が奏でられ、何かこの交響曲全体の主題を掻き回した様な混乱の中にいったん終了します。しかし、21:50当たりから徐々に盛り上がるコーダがゆっくりと現れ、盛り上がった後、非常に感動的に終わっていきます。
全体の録音についてですが、印象としては弦楽器が小さくて、金管とティンパニーばかり目立つのがちょっと難点です。
でも、買って良かったと思います。より完璧にブルックナーらしい曲になるまで、研究者の方々にはご努力願いたいと思います。拙者、こういうロマンのある仕事は大好きです。