オイゲン・ヨッフム指揮ロンドンフィルによるブラームス交響曲全集のうち、
交響曲第1番、第2番、第3番、悲劇的序曲、大学祝典序曲の5曲が収められた
もので、1976年6月〜10月にかけてロンドンで録音されています。
いずれの曲も堂々かつ伸びやかな見事な演奏で、普遍的な価値と説得力を備えて
います。交響曲第1番の第1楽章は遅めのテンポ設定(17分1秒)で演奏されて
いますが、まったく遅さを感じませんし、深々と堂々たるものです。緩徐楽章も
風格を備えたやわらかい演奏で、厳しく壮大な第1楽章の後を味わい深く表現
しています。一方で、第4楽章は快速テンポ(16分1秒)による筋肉質で若々しく
深い演奏です。あまり話題にならないディスクですが、間違いなくこの曲の代表
となりうる演奏です。
交響曲第2番は、全体的に快速テンポによる演奏であり、非常に明るく颯爽と
した表現が特徴です。第1楽章は繰り返しも含めて19分7秒ですし、第4楽章に
ついては8分30秒という颯爽としたテンポで一気に歌い上げています。浮ついた
ところは一切なく、聴いた後に何とも心地よいすがすがしさを味わえます。
交響曲第3番は、非常に堂々とした男らしい演奏です。ブラームスの「英雄」
交響曲を称されることもあるこの曲の性格を過不足なく表現していると思います。
序曲2曲も立派な演奏で、悲劇的序曲は心の奥へ奥へ突き進むような演奏であり、
大学祝典序曲は音楽の喜びのエネルギーを放出するような明るい演奏です。
一聴をお勧めします。きっと満足できる演奏だと思います。
なお、交響曲第4番とドイツ・レクイエムは別売りになっていますが、それも
深々とした立派な演奏であることを付記しておきます。