クリーヴランドのブラ1というと長らくセルの録音を聴いてきました。
セルの解釈は非常にストイックなもので、ロマン派的音楽家の自我の
肥大した部分をほとんどそぎ落としたような極めてハードボイルド風解釈
に聴こえ、その日の気分によってはクリーヴランド管の機能美だけしか
感じ取れない寂しさが残ることもありました。
(クリーヴランドによるブラームスは他にマゼール指揮などあるようですが
私は未聴です)
さて本盤、名盤ひしめくこの曲ではなかなか名前があがらない??
のかもしれませんが、所々、ああ、セルを意識しているのかな、と感情を
抑制したかと思えば、白眉の4楽章では意外と素直な感情表現があります。
音楽の流れが非常に「ハキハキ」しています。力強いのに変に聴き疲れせず、
流れがスムーズで、買った日は何度も聴いてしまいました。
また、クリーヴランド管の音(特に弦セクション)もセル時代のような
カミソリ軍団ではなく、録音のせいもあってか、かなりふっくらして
聴こえます。とはいえ、今のドイツオケにはなかなかない、いい意味での
「硬さ」はまだ残っているように聴こえました。
ドホナーニは折衷的な表現をした、といえば聞こえは悪いですが、
濃厚で威圧的なブラ1に疲れた方にも、または入門用にもオススメします。
(小声)これも当時のユニバーサルから出ていたらもっと人気があっただろうになあ。。