テレマンは大バッハと同時代で、当時売れっ子の作曲家。当然、作曲依頼が多くあり、残っているだけでも3,000曲を越えるとか。ちなみにこちらも当時から大家として有名だった、大バッハの現存曲は1,100弱。かつては「小バッハ」と言われて軽蔑されていたが、今日テレマンの評価が高まりつつあり、埋もれた曲の演奏も出されつつある。
このCDはテレマンが、当時一般に愛用されていた縦笛のリコーダー(ブロックフレーテ)のために作った協奏曲の中で、優れたものを集めている。最初のSuite のスコアは20世紀に発見されたそうな。今ではテレマンを代表する曲として、横笛の現代フルートでも重要なレパートリで、演奏には技術も音楽性も要求される名曲である。
リコーダー奏者のRothert の演奏は、楽譜通りの演奏だけでなく、嫌みにならない程度のアドリブ技術もあり、すばらしい。若いロサート(ロテルト)を、老練の指揮者ミューラー・ブルールが楽しい演奏をさせている。演奏は現代的で、とても古めかしいリコーダーやトラベルソ(ウンバッハ)によるものとは思えない。
値段の割には大変お得なCDである。
唯一の不満な点は、テレマンの作品番号をつけて欲しかった。研究者が付けた番号だが、バッハのBWV、モーツアルトのKvと同じように(他の作曲家でも作品番号がある、例えばZelenka: ZWV)膨大な曲を同定するのに必要かつ便利だから。ちなみにこのCDの曲は:55:a2, 51:C1, 52:e1, 51:F1。