♪ソフトロック、ポップスの名曲は、せつなく、メランコリックで、哀愁を漂わせ、聴く人を時の流れへと深く沈めていきます。
ロジャー・ニコルス『スモール・サークル・オブ・フレンズ』は、60年代をあまり知らない私でも「お、いいねぇ」と感じることができます。
ビートルズ、バート・バカラック、キャロル・キング、ラヴィン・スプーンフルなど、名曲の数々を拾い集めて磨きをかけた作品集です。もちろん、4曲目、6曲目、そしてボーナストラックの18曲目など、数曲のオリジナルも素晴らしい。キャッチーでつい口ずさみたくなるポップナンバーです。
ほとんどの曲のアレンジを務めたニック・デカロの手腕もさることながら、選曲の良さという点で、おススメします。
当時の音楽界を知らない私なので、詳細は他の人におまかせしますが、音楽を「作る側」「関係者」も、どれだけ良質の歌を聴いているか、がポイントでしょう。 日本では陽の目を見なかったアルバムです。
日本の商業主義的、音楽業界の実態からはほど遠いところに、良質の音楽が存在することは少し残念に思います。なぜならば、一般の人たちにその歌が届かない。
ロジャー・ニコルスの作品は、もしかすると、商業主義的音楽業界へのアンチテーゼになっているのかもしれません。「こんなにいい音楽がたくさんあるのに・・・」。そんな風に感じます。
そして、その課題は私たち音楽ファンへと向けられるのです。「いい音楽、美しい歌を聴いていますか」と。