たまには難解かつ深遠、そして心を逆なでするような音楽を聞いてみたいものだと思って購入したのだが、驚くほどセンチメンタルな曲が並んでいるので、多少拍子抜けした。まるで映画のBGMのようなものもある。十二音音楽って、こんなんだっけ?と解説書のシェーンベルグの写真につぶやいてしまった。
レビューとしては、どういえばいいのだろう。構えることはありません、マーラーが楽しめる人なら違和感なく入り込めます、というべきなのか、思ったほど深刻な音楽ではない、というべきなのか。まあ、単純に私の風変わりな趣味だけで言っていいものなら、期待したほどではなかったということになるが(だって、この三人の名前には、相当近づきがたい気難しい芸術家というイメージがありますよね?)。
歌入りの曲が多いのも、ドイツ語の分からない私には悪条件だ(歌詞カードが付いていない)。かつ、甘ったるいポップソングに慣れてしまった私の耳では、クラシックの唱法の、細やかな表情を聞き取ることは難しい。
しかしもちろん素晴らしい曲もいくつかある。ウェーベルンを収めた一枚や、ベルクの『ヴァイオリン協奏曲』などはクラシックの中でも屈指の名曲だと思う。つまりそれが私の購入動機に近い曲ということだ。
ほめたりけなしたりだが、8枚組みなのだから、じっくり聞いていくうち、今はそうではなくても好きになれる曲も出てくるだろう。それを楽しみにしたい。