内容(「CDジャーナル」データベースより)
リトル・クリーチャーズの鈴木正人、バッファロー・ドーターの大野由美子などのゲストを迎えた、UA5枚目のオリジナル・アルバム。多彩なサウンドはあたかも音による世界旅行。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
うたとは一体何なのか? スワヒリ語で“花”と“殺す”の意を併せ持つ名前を戴いたこの女性シンガーは、デビュー以来、一貫して、その命題の解を追い求めてきた。その余りに求道的な姿勢は、聴いてるこちらが苦しくなるほどであり、その痛々しさは前作『泥棒』において、白土三平の漫画『カムイ伝』に出てくる狂気/正気の人、小六を思わせる賛否両論のアートワークにも現れていたわけだが、複雑かつ膨大な言説が時として単純明快な結論に行き着くように、本作の歌は呆気ないほどにプリミティヴだ。彼女はこのアルバム『SUN』と同時に出演してるNHK教育テレビの子供歌番組『ドレミノテレビ』と連動した“ううあ”名義の童謡・愛唱歌集『うたううあ』をリリースするが、ここまでプリミティヴな歌は……そう、童謡くらいしか思い浮かばない。ちなみに『SUN』はBLASTHEADや藤乃屋舞、菊地成孔といった東京アンダーグランド・シーンの要人と、『うたううあ』はBUFFALO DAUGHTERの大野由美子やLITTLE TEMPO、ASA-CHANGら、前者と比べればポップ・フィールドで活躍するミュージシャンとともに制作されているが、この2枚にポップだのアンダーグラウンドだのという形容はまったく無粋であって、万人に向けられたうたがここにはある。果たして、前作から本作に至る過程で何があったのか? その心境の変化は筆者の想像を軽く超えてしまっていて、思わず言葉に詰まるが、このアルバムでの彼女はそんなに難しく考えずに聴いてほしいと言っているようにも思える。それほどに本作と『うたううあ』の開放感は圧倒的だ。ソウルからダブ/レゲエ、そしてフリー・ジャズ、エレクトロニカから日常の空気にどこまでも馴染むフリー・ミュージックへ。おそらく、この作品は彼女にとっての歌の最終形態ではないはずだが、長い長いトンネルを抜け、彼女はいよいよ光が降り注ぐ新しい季節へ飛び出していくような、そんな気がする。 (小野田雄) --- 2004年04月号