載っている作品、ジャンル、本誌のタイトルにはいろいろと意見のあるところですが、単に「特撮映画の世紀」とでもすればちょうどよいのかもしれません。一つ一つの作品への書き込みはややボリューム不足とも思えますが、ネタバレとのバランスからすると致し方ないと思います。
むしろ、これを読んで気がつくのは、SF・ファンタジー映画というようなジャンルは、既に終わってしまったのではないかということです。というのも、90年代以降にも同ジャンルの映画は作られて大ヒットしているものもあるのですが、これは一般映画、これはSF・ファンタジー映画と区別された認識ではなく、イベントムービーの一つとして認識されヒットしていると思うのです。SF・ファンタジーが一般に浸透したと言えるのかもしれませんが、90年代前半頃までのマニア層に受けていたようなコアな映画は無くなってしまったのではないでしょうか。
索引があるのもよいですが、年表にタイトルしか出ていない作品については、索引に載せる意味がないような気もしました。邦画にまったく触れないのも残念です。
全体に、SF・ファンタジー映画へのLOVE(既にノスタルジーかも)が感じられ、細かい荒探しや、けなし倒すような映画論評が人気を博する冷めた現代においては、すがすがしいものを感じました。マニア層にとっては物足りないと思いますが、丁寧なつくりは好感が持てます。