本書において、著者は「顧客が51、会社や自分が49」と繰り返す。一見、「えっ、逆なのでは…」という印象を持つであろうこの言葉は、まさに著者の「SE哲学」を象徴しており、50の原則の大前提とさえ言える。
ただし、50の原則そのものは正論であり、SEとしてというよりも、ビジネスマンとして、ひいては人間として望ましい姿と、そこへ近づくための心がけが記されている。本書は1986年に著者が社内向けに配布した小冊子が原本となっている。それにもかかわらず、今でも全く古さを感じさせないのは、上に述べたとおり単なるSEのための専門書ではなく、SEという切り口で著者が人としてあるべき姿を訴えているからであり、メッセージそのものが普遍性を持っているからだ。
内容は繰り返している部分が多く、単調な面があることも否めないが、著者の正論が「これでもか」というほど伝わってくるのは確かだ。また、業界ならではの専門用語はほとんど使用されていないため、SEに限らずあらゆるビジネスマンにとって読みやすい書と言える。(橋本亮治)
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