とにかく色数が多いのが魅力。
毎月25本ずつの分割販売の通販品の500色セットや数量限定品の240色セットを除けば、
ホルベインのアーチスト色鉛筆の150色に次ぐ色数を誇る。
また、500色や240色の商品は単色での補充が全く不可能なので、その辺も選択時に
考慮しておくと、あとで歯噛みしないで済むかも知れない。
ベロール社のイーグルカラーという製品の後継品。
イーグルカラーは、以前の色鉛筆の入門書や解説書などでも使用されていることが多く、
プロのアーチストの間で人気が高かったことがよく分かる。
そのイーグルカラーと製品そのものは変わらないと言われる。
製造メーカーの買収があったらしいが、製品名まで変えてしまう感覚は、ブランドを
大切にする(最近はそうでもないが)日本人の感覚からは理解しがたい。
何か理由があるのだろうと勘繰ってしまう。
また、イーグルカラー時代に存在したメタリックカラーのカッパー(銅)色が
廃止されていたり、グレー系の色名が変更になっていたり、ということもあって、
色味や品質がどの程度受け継がれているのか、その辺も検証しづらい。
とは言うものの、ちょっと使っただけでクオリティの高さは実感できる。
滑らかな描き心地、定着の良さ、良好な発色、緻密で柔らかく均質な芯。
プロ用として愛されてきたという一流品の実力を一瞬で感じ取ることができる。
ただ、見た目の方は非常にアバウトというか大雑把というか奔放というか、私の
予想や常識を遥かに超えたものではあったが。
とにかく、とても新品には見えない
ポリのパッケージに開封された痕跡はないし、新品であることに間違いはないので
あろうが、全体的に美しくない。
軸木が薄汚れているという段階を余裕で通り越して、小汚いとしか言いようがない。
製造から出荷までに、かなりの期間を倉庫で放置でもされていたのだろうか。
数本の髪の毛の混入もあった。
また、軸木の箔文字の圧力が高すぎて、塗装面や軸木に亀裂や陥没が発生している個体が
多数あったにことにも驚かされた。
中国製の色鉛筆だと、塗装が汚いのは珍しくもないが、こういうケースは見たことがない。
(そもそも、箔文字なんか使った中国製品自体が稀なのかも知れない)
こんな扱いで、中の芯は大丈夫なのかと心配になる。
また、メキシコ製とUSA製で軸のデザインが違うというのも、親切なのか不親切なのか分からない。
ひょっとしたら海賊版なのかも知れないと思ったが、銀座の有名店の店頭の商品でも
軸木の亀裂や陥没は確認された。
また、知人の所有者のセットも同じような状態らしいので、これはもう個体不良ではなく、
仕様なのだと理解するのが自然だろう。
美観が維持できなくなったことで商品名を変更したのかも知れない。
なので、外見の美しさや清潔感にこだわる人には不向きだ。
贈答品に使えるかどうかも判断が難しいところだが、私なら慎重に判断する。
ただ、色数の多さと発色の良さ、描き心地の素晴らしさは、見た目の悪さを補ってあまりある
ほどの魅力があることも事実だ。
自分用に割り切って使うのであれば、なかなかにお買い得だと思う。
なお、またまた改名されたカリスマカラーでは、軸木のデザインも統一され、見た目にも
非常に美しいものに変わっている。
色数が72色と大幅減で魅力も半減してしまったが、見た目の美しさと実際の品質の
二兎を追いたい場合には、こちらを選択するほうが良さそうだ。
ただ、72色程度で良いのなら、他にいくらでも候補が上がる。
その辺も含めて悩んだり迷ったりするのも、買い物の醍醐味かも知れないが。