アンドリュー・ロイド・ウェッバーが作曲した『レクィエム』は、発売された当時、本国イギリスでは相当売れましたし、日本でも同様の現象をもたらしましたが、その後再発売もみませんし、このように輸入盤でも品切れのところをみると、一時の流行のようなものだったのかもしれません。
演奏(歌手)陣はとても豪華です。ロリン・マゼール指揮、イギリス室内管弦楽団、ウィンチェスター大聖堂合唱団、プラシド・ドミンゴ(テノール)、サラ・ブライトマン(ソプラノ)、マイルズ-キングストン(ボーイ・ソプラノ)という顔触れによりますから、とてもしっかりとした演奏を聴かせてくれています。
ロイド・ウェッバーは、「ジーザス・クライスト・スーパースター」「キャッツ」「オペラ座の怪人」などのミュージカルが有名です。人気のある作曲家ですから、この『レクィエム』がベストセラーになったのも当然だと思います。現代音楽的なハーモニーと楽器の構成、パーカッションが活躍するなど、通常のレクィエムとは雰囲気が異なります。ただ、かなり凝った曲想ですので、彼のミュージカルのような分かりやすい曲を期待した向きには少し肩透かしをくらったかのように思うでしょうね。
ドミンゴの豪快なソロが聞ける「オザンナ」はミュージカル風ですし、「ピエ・イェズ」は、コンピレーションアルバムに収録されているほどの名曲です。サラ・ブライトマンとマイルズ-キングストンのデュエットがこの曲のハイライトだと思います。ラストのオルガンの大音響とボーイ・ソプラノの消え入るような歌唱は「オペラ座の怪人」を彷彿とするような感じですので、ミュージカルで聴くことのできる雰囲気は随所に感じられました。