アーノンクール指揮ウィーン国立歌劇場合唱団、コンツェントゥス・ムジクス・ウィーンの演奏による、バッハのカンタータ「来たれ、汝甘き死の時よ(BWV161)」とモーツァルトの「レクイエム(KV626、バイヤー版)」の2曲を収録したDVDです。録画は1981年11月1日(万聖節)ウィーン楽友協会大ホールにおいてライヴで行われています。
まずバッハのカンタータですが、レクイエムの「前座」という扱いなので合唱・オケともレクイエムのサイズ(合唱約50人、オケ約50人くらい)でそのまま演奏されており、マズイ演奏ではありませんがちょっと違和感がありました。リコーダーをアーノンクールの娘エリーザベトが吹いています。
レクイエムに入ると合唱・オケとも生気がみなぎり、アーノンクールも独特の目をカッと開いた迫力の表情で指揮をしています。今から30年近く前の映像でアーノンクールも若くて、まるでマフィアの若頭のような凄みがあり、同じレクイエムのDVDでもガーディナーのエリート銀行員のような端正な指揮姿とは好対照です。
大人数の演奏で迫力・凄みがありますが、上述のガーディナー盤に比べるとやや重苦しく野暮ったさを感じます(特に合唱が)。ソロ歌手についても同様です。ちなみにこちらのソロ歌手はヤカール(ソプラノ)、ヴェンケル(アルト)、エクヴィルツ(テノール)、ホル(バス)というキャストとなっています。
男性メンバーの太いネクタイ、女性メンバーのコテコテの厚化粧に時代を感じますね。「大人の味」にあふれたDVDであり、買って損はないと思います。