『硫黄ボイルド』・・・そんな新しいジャンルを切り開くであろうこの一冊。
これはもう本と言うより温泉です。 効能は脳の新陳代謝促進です。どっぷり浸かるしかありません。
初めて読むアナタには熱過ぎるかも知れません。あるいは冷た過ぎるかも知れません。
良い匂いがする時もありますが変な臭いがする時もしばしばあります。
いずれにせよ浸かった後は変な爽快感というのか脳が変にリフレッシュされていることでしょう。
同時に五感も刺激されることでしょう。
気が付くとアナタは鼻水を垂れているかも知れませんし涙を流しているかも知れません。
または声を出して笑っているかも知れません。
とにかく誰もいないところで毛穴を開き切り、身を任せて読んで下さい。
誰かいる場所ではもろもろの感情を悟られないよう息を殺して読んで下さい。
そして変な爽快感を得た時は「極楽、極楽」と呟いて下さい。
不遇を絵に描いたような出自を持つ著者の半生を自ら記したエッセイ集です。
そのままドラマとかにしたとしても不思議ではない突出して不幸な生い立ちに感慨を持たされます。
本人には単なるストーリーではなくて人生そのものなので、普通なら笑えない話です。
しかし驚異的楽観主義であろうか語り口には悲壮感は微塵もなく、
逆に明らかに狙っている文体なので、半分面白がっているんじゃないかというふうに読めます。
文面を見れば実際に苦労や不幸を面白がっているのであろうと推測できます。
読み手も不幸話を読んでいるはずなのに結果的に腹を抱えて(あるいはニヤリと)笑ってしまうでしょう。
著者の巧みな手法により人間の感情をメビウスの輪のように捻られ、
いつの間にか「笑い」というポイントへ誘われているからであり、
これを体感した読者はその摩訶不思議さがクセになりもっと読み(笑い)たくなることうけあい。
タネがあるようでタネがないその巧みな手法は文章のマジシャン?
いや、文章のシャーマンと言うべきか言わざるべきか。
いろいろと七面倒くさいこと考えなくてもこれを読んだらもう笑うしかないし笑ってしまうことでしょう。
でもただ笑うだけではなく笑いながらも考えさせられます。
摩訶不思議な麗兄ワールドには宗教や哲学にも似た新しい価値観が込められています。
行詰ったり、息詰まったり、思い悩んでいる方が読んだら新しい希望に似た何かが見えるかも知れません。
見えない可能性も同じだけありますが。
本書の構成としては日記的な記録である「伝記」が前後半二章分、
他に偏見に満ちてちょっとオトクなエッセイ「コらム」、
愛車にまつわるエピソード「ヘレニズム」、
ノンジャンルのようなナンセンスのような「DADA」という構成です。
「DADA」は12ページオールカラー。また初版のみサウンドトラックCD付です。
生年月日:1972年5月17日
身長:181cm
体重:70~80kg(変動性)
血液型:A型
特徴:毒舌家
趣味:ピアノ(完全独学)、ガーデニング、読書、水泳、木を眺める
ライフスタイル:半農半乞食
肩書:ある時は危険を省みる冒険家、またある時は弱気に助けられ手を挫くヒモ、
またまたある時は青年不実業家(代表戸締り役社長)
座右の銘:「孤低のスーパーヒューマン」
略 歴
●赤子期
・生後間もなく両親離婚のため母方の祖母に引き取られ育てられることに。
(以後現在に至るまで祖母と二人暮しをすることになる)
●少年期
・両親からの援助はなく年金受給月額3万円の祖母に育てられる。
・家賃月額750円の家で15歳まで暮らす。
・「欲しがりません勝ったとしても」をスローガンに生きる。
・小学校高学年の頃からカブトムシを捕って売って得たお金で欲しい物
(ワープロ、CDプレーヤー、ビデオデッキ等)を買う。
それ以降現在に至るまでどれだけのことを体験したかはここには書き尽くせませんがその触りを。
・亡き父は刺青彫師
・絶縁状態の実母はバツ4
・鬼のようにバイトして大学を出るも燃え尽き症候群に
・庭でグランドピアノを燃やす
・山中で熊と遭遇する
・ウーにも遭遇
・26歳で会社を作る
・ばあさんの介護に四苦八苦
etc
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
おもしろおかしい貧乏,
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レビュー対象商品: Rainy Day (単行本(ソフトカバー))
詳細は省略しますが、著者は、まだ若いのに相当に貧乏で波乱に富んだ生い立ちの人です。こんな漫画があったら、「嘘臭い設定だなー」と思うでしょう。そんな著者が自分の生い立ちや日常を書いた本です。とはいえ、単に貧乏で波乱万丈な人の書いた本というのは昔から山ほど存在します。ところがこれは、そういう本とはどうも違う。まず、昔は苦労したけどがんばって今は成功した、とかいう本ではない(そもそも今も大金持ちになってない)。かと言って悲惨なことを悲惨に書いて、社会に対して怒るとか、お前ら俺に対して申し訳なく思えとかいう本でもない。この本では、不幸話も楽しいことも並置され、淡々と、というのとはちょっと違うんですが、同じような調子で、実に見事な文章でおもしろおかしく語られます。そして、不幸も突き放して笑いにしてしまう著者の視線は、結果的に日常の持つ力強さみたいなものを感じさせます。そのせいで、この本は凡百の不幸本の一つになってしまうことから逃れ、ユニークで面白い本となっています。 そして何より魅力的なのは、そのような出来事の数々から浮かび上がる、他人に対しては一見ぶっきらぼうに接している著者の、実はお人好しで心優しい人柄です。ご本人は、自分は苦労ばっかりして不幸だと思ってるかもしれませんが、友人には恵まれ、女性関係も、もてないもてないと言いながら結構いい思いをしてるというのはこのあたりに理由があるかと思います。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
世が世なら,
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レビュー対象商品: Rainy Day (単行本(ソフトカバー))
「ホームレス中学生」が爆発的なヒットを飛ばした今、見るべき人が見れば二番煎じとして引っ張り出されかねない作品。 日本人は他人の不幸が大好き。 特に、鬼のような貧乏話は大好物でしょう。 松尾スズキさんあたりに演出してもらって映画化して欲しいですな〜。
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