……よりによって、ソードアート・オンラインと同時期に来ますか……。
不運な。
ただでさえ、今月は良作ラッシュの当たり月なのに。
気を取り直してレビューしましょう。
友人と共に、やり込んだRPGの世界に迷い込む話です。
お約束と言えばお約束ですが、鬼のようにレベルが高いので、最初から無敵モードです。
作品として盛り上がるのは、その無敵が通用しないシチュエーションに遭遇したときに、
現実には並みの高校生に過ぎない主人公達がいかに振舞うのかという点ですが、
その辺りはキチっと作品として見せてくれます。
そういう所は悪くないのですが、
抜きん出たところには欠ける感があります。
異世界迷い込みモノというのは、実のところ物凄く重いテーマを必然的にはらむジャンルです。
異世界に迷い込むというのは、今まで築き上げたものとは無縁な場所で、別人として生きるという事です。
それは、自分とは何者なのかという問いが必然的に絡むものであり、
何も持たぬ唯一人の根無し草となったときに、今を生きる我々はどうなるのかという問いとなります。
時の経過による、元の世界で積み重ねてきた自らの立場を喪失する危機、という点が絡んでくる事もあります。
なので、このジャンルは難しく、それだけ多くの名作・傑作を排出してきたジャンルでもあります。
昨今では、前述の『ソードアート・オンライン』『ブレイブストーリー』『シフト 世界はクリアを待っている』『焔の刻印』『ゼロの使い魔』など。
正直、本作がそれらに匹敵しうるものか、というと微妙なところだと思います。
ダークならいいという物ではありませんが、順応しなくても素の日本人高校生のままでもやっていけてるような、甘さがあります。
この先どうなるのかは判りませんが、シチュエーション的には悪くないと思うので、頑張って欲しいですね。