トム・ハレルは1946年生まれだそうですが、60歳を過ぎてなお、守りに入らず、無難なところに落ち着くでもなく、どんどん新しいことに挑戦し続けるようです。もちろん、いつもの美しいフリューゲルや詩的なソロも楽しめますが、アグレッシブでスリリングな曲も収録されており、これが実にかっこうよい。秀逸な若手リズム隊をバックに展開する鋭いトランペットソロなどは、少しも「年齢による衰え」を感じさせません。うれしくなります。トム・ハレルはすごい。すごいが、他のメンバーもすごい。トム・ハレルの曲を見事にカタチにし、一曲ごとに世界を造り上げています。大きなうねりの中で、隙間を埋め尽くす難解なリズム、絶妙のあいの手など、さまざまなことをやってるのが聴けます。大変聞きごたえのあるアルバムです。