他の方も書かれていらっしゃいますが、前作ファーストアルバムから以降、姿が見られず不安に思っていた矢先、
本作の発売が決定したことを知った時には、大変嬉しく思ったものでした。
しかし・・・。
本作のプロデュースが『Barbarian On The Groove』だということは発売前から、色々と調べて、分かる範囲で
知っておりましたが、普段はどういった作風のものを作るのか、その集団のことを知らない私のような人間には、
この集団がプロデュースする意味と価値がよく分からない状態でした。
この集団がお好きな方には大変申し訳ないのですが、1stのクリエイター陣のレベルから、ここへの急激な落差に、
驚きと落胆を、少なからず抱いてしまったというのが正直な感想でした。
(同人系音楽集団だからどうだという意味ではなく、楽曲やサウンドがボーカリストに似合っているかの問題)
聴いた感想は、クオリティ的に下がったわけではないのですが、ゆったりなイメージの1stアルバムと違って、
IKUさん作曲の作品が1曲と少ない上、M2‐3、5を担当の方の作る曲のメロ・音の多さ、アレンジの気ぜわしさ、
また肝心のオケやサウンドメイキング、特にリズム隊は、生音を意識した打ち込みか、若干安く騒々しい印象で、
言い方は悪いけども、音があちこち、とっ散かって、なんとなく落ち着かない楽曲が、割合多いなという印象。
ほぼ全体的に平面なドラムス、ハットやシェイカー等も(その意味ではM-4も)かなり耳に付く気がしたのですが、
こだわり過ぎなのでしょうか。
音質は多分良くて、クリアでもあるけども、言い知れぬ息苦しさのようなものをふと感じる楽曲もありました。
もちろん、個人的な体感として、ですが。
ふわっ…とエアリーに広がっていたコーラスワークも、どことなく控え目のような気も。
ただ、M-1「Pray」は集団全員で取り組んでいるおかげか、楽曲、アレンジ、ミックス共に音と声のバランスが、
流れ方として自然で良いと思えましたし、楽曲自体も、美しい旋律だと思います。
アニメの曲とのことで、そちらには興味がなく知りませんでしたが、文句なしに素敵な曲です。
前述の曲を含め、M-1「Pray〜祈り〜」M-4「花曇り」、IKUさん作詞・作曲のM-6「光の詩」が気に入ったので、
購入して良かったとは思っています。M-5も旋律は好きです。
前作と比較することに意味がないのも、前作と似たようなものを作っても仕方がないのも理解してるつもりだし、
IKUさんご自身も"Barbarian"の Webサイトの「ROBE」のコメントで「新しくもあり、かつニュートラルな自分を
見つけたかったし、見つけられた」というようなことを言われていたので、本作にて、IKUさんの新しい歌声や、
世界観に触れ、意味があったことがうかがい知れることができれば、本作の魅力はより増すかもしれません。
歌い方、声質自体も、少し大人っぽいものが増えていたように感じました。
ただ、聴き手のわがままな希望としては、またこのようにCDで歌声を聴かせてほしいと思うのはもちろんのこと、
シンガーソングライターとしてのIKUさんの創作能力を強みとして生かしつつ、声や楽曲の雰囲気に似合った
アレンジや、サウンドメイキングのできるサウンドプロデューサー・クリエイター陣にも恵まれたらといいなと
思います。
3枚のシングル〜1stアルバムでの高瀬一矢氏、大嶋啓之氏、渡辺善太郎氏、大久保薫氏、その他多数の
実力派クリエイター陣の方々がいたように。
また、今でこそ脱退されていますが、元この集団のbassyという方も、1stのM-3で作・編曲担当されてますね。
(1stのクレジットを見ると、ボーカルディレクションで本作のクリエイター集団の名前も記載されていました)
それでも楽曲&サウンドメイキングは爽やかで、ミックスもよく、他のクリエイター陣の作品の中でも浮かずに
聴くことができました。
歌声を中心にして、シンプルに音作りがなされるのが、やはり理想かも知れません。
このままだと不満が爆発したレビューに見えますが、そういうつもりはありません。
良い楽曲はありましたし、なにより変わらぬ、あるいは更に素敵になったIKUさんの歌声をこうしてふたたび
無事に楽しむことができて、本当に良かったと思います。
好きなアーティストが、いとも簡単に姿を消してしまう昨今だからこそ、次の作品を手にできたという喜びは
やはり大きく、単純に喜しくもあります。